2024.03.02
食後、いつ歯を磨けばいいの?
「食事をしたらすぐに歯磨きをしましょう!」と言われたことがある方も少なくないのではないでしょうか?
今回は食事の歯磨きのタイミングに深く関係している「緩衝能」についてご紹介します。
緩衝能って何?
緩衝能とは、唾液がもつ、お口の環境改善能力(酸性の状況を中性に引き戻す力)の強さのことです。
食事をしたり、水を飲んだりするなど口腔内のpHに変化が起きたとき、唾液が正常な範囲に口腔内を保とうとその変化に抵抗するはたらきがあります。口腔内のpHは安静時に6.7〜7.6と中性(pH7)に近い数値を示しますが、飲食物摂取や口腔内にいる酸生産性をもつ細菌が酸を産出するなどして変化することがあります。
これに対して唾液は緩衝液として作用して、口腔内環境を守る働きがあります。
ヒトの唾液の緩衝能のうち85〜95%が重炭酸塩システムによるものです。唾液中の重炭酸イオン濃度が増すと唾液のpHも上昇するが、その重炭酸イオン濃度は唾液分泌量に強く依存するため、唾液分泌量が多いと緩衝能が高く、少ないと緩衝能が低くなります。
食事の歯磨きのタイミング
食事をして、酸性に傾いた口腔内は、唾液の緩衝能の力で中性に戻ります。緩衝能は元々個人の持っている力で、人によって働きが強い人、弱い人がいます。この働きによって歯を磨くベストタイミングは、患者様それぞれ違うのです。
- 働きが強い人
緩衝能の働きが強い人は、30分前後に歯を磨くことをおすすめします。緩衝能の力で中性に戻るのが早いため、歯が溶けるのも遅くなります。そのため食事の後すぐに歯を磨く必要はありません。
- 働きが弱い人
緩衝能の働きが弱い人は、食事の後すぐに歯を磨くことをおすすめします。食事の後、中性に戻るのが遅いため、酸性の状態が続くことになります。歯は酸性によって溶けるため、酸性の状態が続くことは良いことではありません。歯を磨くことで中性にリセットすることができます。
まとめ
唾液検査で調べることができます
唾液に含まれる成分や虫歯菌の数、唾液がどれくらい出やすいかなどを調べることで虫歯のリスクを判定できる検査があります。8つのむし歯リスク・むし歯の原因を調べ、その項目の中にある唾液緩衝能の強さを調べることができます。ご自身の口腔内の状況を数値でみることができるため、患者様に合った具体的な治療法やアドバイスを行うことができます。
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