「この歯、抜くしかないと言われた」
──本当にそうですか?

保険の根管治療の成功率は約50%。再発を繰り返すのは「治療法」ではなく「精度」の問題です。
当院には根管治療に特化した歯科医師が在籍。マイクロスコープを常時使用した精密根管治療

根管治療とは何か

歯を残すための最後の砦

虫歯が進行して歯の神経(歯髄)まで到達すると、神経を除去して根管内を清掃する「根管治療」が必要になります。
また、過去に根管治療した歯が再感染した場合の「再根管治療(リトリートメント)」も根管治療の重要な領域です。
根管治療は歯を抜かずに残すための最終手段です。この治療が成功するかどうかで、歯の寿命が大きく変わります。

比較項目 保険の根管治療 自費(精密)根管治療
目的 痛みの除去・感染部位の切除 再発予防を含めた根本的な感染排除
マイクロスコープ 不使用(治療は肉眼) 常時使用(20倍拡大視野で治療)
ラバーダム防湿 多くの場合未使用 必ず使用(細菌侵入を完全遮断)
歯科用CT 標準では未使用 使用(根管形態を3D把握)
根管充填材 ガッタパーチャのみ ガッタパーチャ含む、MTA・バイオセラミクスなど高封鎖性材料
治療時間 15〜30分/回(時間制約あり) 60〜90分/回(時間を十分に確保)
通院回数 10〜20回以上 概ね2〜5回
成功率 約50%(文献値) 約85〜90%(適切な施術下)
費用 保険適用(1〜3割負担) 自費:1根管 ¥121,000〜

「保険の根管治療は駄目なのですか?」
という質問への正直な回答

いいえ、駄目ではありません。痛みを取り感染部位を除去する基本的な治療は保険でも十分です。ただし、保険制度の制約上、マイクロスコープを常時使用したり、長い時間をかけた精密処置は難しい現実があります。「今の痛みが取れれば十分」なら保険でも問題ありません。「再発を繰り返したくない」「この歯をできる限り長持ちさせたい」なら自費根管治療をご検討ください。

根管治療が再発する理由

保険治療での再発率約50%のメカニズム

根管治療後に再発するケースの多くは「細菌の取り残し」と「再感染」が原因です。
根管は非常に複雑な形状をしており、肉眼では見えない側枝・分岐・湾曲した管が存在します。

  • 見えない根管の取り残し

    肉眼では発見できない細管・側枝に感染が残ると、再び根尖部に病変が生じます。マイクロスコープによる拡大視野で、見落としリスクを大幅に低減できます。

  • 治療中の再感染

    根管治療中に口腔内の唾液が根管内に入ると細菌が侵入します。ラバーダム防湿でこの経路を完全に遮断することが不可欠です。

  • 根管充填の不完全

    根管を清掃後に隙間なく封鎖しないと、そこから細菌が侵入し再発します。MTAなど高い封鎖性を持つ材料の使用が重要です。

当院の自費根管治療
─ 4つの精密な要素

専門性の深さ

  • 01

    国内外の大学で研鑽を積んた根管治療の
    スペシャリストが担当

    当院には、東京医科歯科大学大学院修了・米国ペンシルベニア大学大学院研修修了の根管治療医(歯内療法医)が在籍。日本歯内療法学会・米国歯内療法学会(AAE)所属。一般の歯科医師とは比較にならない専門的な知識と技術で治療にあたります。

  • 02

    マイクロスコープを「常時使用」
    ──確認だけでなく治療中も

    実際の治療は肉眼で行うことがほとんどです。当院では治療全体を通じてマイクロスコープを覗きながら施術。肉眼では見落とすような細い根管・湾曲・側枝まで確認しながら、感染部位を正確に除去します。削除量も最小限に抑えられ、歯が弱くなるのを防ぎます。

  • 03

    ラバーダム防湿を必ず使用
    ──無菌状態を徹底

    根管治療の最大の敵は「治療中の再感染」です。唾液中には無数の細菌が存在し、治療中に根管内へ侵入するリスクがあります。当院ではラバーダム(ゴム製のシート)を必ず装着し、治療部位を口腔内から完全に隔離した無菌状態で施術します。ラバーダムを使用しない根管治療は無菌的処置の観点から推奨できません。

  • 04

    歯科用CT・高封鎖性材料(MTA)の使用

    2Dのレントゲンでは見えない根管の立体的な形態をCTで把握。湾曲・分岐・カルシウム沈着による閉塞なども事前に確認してから治療します。また、根管充填にはMTAなど高い封鎖性・生体親和性を持つ材料を使用し、再感染経路を完全に閉塞します。

神経を抜かない治療
──歯髄温存療法
(MTA覆髄法)

「神経を抜くしかない」と言われた方へ。
まず当院にご相談ください

虫歯が神経(歯髄)近くまで進行した場合、従来は抜髄(神経を全て除去)が
選択されることが多くありました。しかし神経を失った歯は脆くなり寿命が縮みます。
当院では、適応できる場合にMTAセメントを用いて神経を残す「歯髄温存療法」をご提案します。

MTAセメントによる歯髄温存療法とは

感染した歯髄の一部のみを除去し、MTAセメント(高い生体親和性・封鎖性・抗菌性を持つ特殊セメント)で覆うことで、神経を生かしたまま保存する治療です。神経を残すことで歯の寿命が延び、長期的に自分の歯を守ることができます。

  • 神経が残ることで歯の寿命が大幅に延びる
  • 抜髄(神経除去)を回避できる可能性がある
  • MTAは他材料と比較して優れた長期結果が文献でも証明されている

※ MTA適応かどうかは実際に虫歯を除去してみないとわからないため、事前の画像診断だけでは確定できません。MTA適応できない場合は、そのまま精密根管治療に移行します(MTA費用は請求しません)。

他院での治療が
上手くいかなかった方へ
──再根管治療

根管治療のやり直しも、当院にお任せください

「根管治療したのに痛みが引かない」「繰り返し膿が出る」「根の病気が治らないと言われた」
──こうしたケースでは、根管治療のやり直し(リトリートメント)が必要です。
当院の歯科医師は難症例・再治療症例にも豊富な経験があります。

こんな方はご相談ください

  • 根管治療を繰り返しているが治らない
  • 治療後も歯の根元や歯肉が腫れる
  • 根の先に膿の袋(根尖病変)があると言われた
  • 「抜くしかない」と言われたがセカンドオピニオンを求めたい
  • 他院での治療が不安で転院を検討している

当院が対応できる難症例

  • 根管内の器具折れ(ファイル折断)への対応
  • 根管の石灰化・閉塞症例
  • 複雑な根管形態(Cシェイプ・湾曲根管)
  • 外科的根管治療(歯根端切除術)との連携
  • 意図的再植術の検討

自費根管治療後の被せ物について

自費根管治療後は
保険の被せ物(銀歯・CAD&CAM冠)を
入れることができません

保険のルール上、自由診療で根管治療をした歯に保険の補綴物(詰め物・被せ物)を装着することはできません。自費根管治療後の被せ物はセラミック・ジルコニア・ゴールドなど自費での選択となります。ただし、これは長期的に見るとデメリットではありません。高品質なセラミック補綴との組み合わせにより、再発リスクが最も低い治療結果が得られます。費用とメリット・デメリットを踏まえてご相談ください。

  • セラミッククラウン(e.max / ジルコニア)との組み合わせが最も再発リスクが低い
  • ゴールドクラウン(金歯)も長期的な耐久性に優れた選択肢
  • 費用・期間のご相談は診察時に詳しくご説明します

治療の流れ

  • STEP 01

    精密検査(口腔内写真・デジタルレントゲン・CT撮影)

    根管の形態・根尖病変の有無・骨の状態をCTで3次元的に把握します。2Dレントゲンだけでは見えない情報が治療計画の精度を大きく左右します。

  • STEP 02

    治療前カウンセリング(保険との違い・費用・期間の説明)

    保険治療と自費根管治療の違い・費用・治療回数・被せ物の選択肢について丁寧にご説明します。十分にご理解いただいた上で治療を開始します。

  • STEP 03

    ラバーダム装着・マイクロスコープ下での根管治療

    ラバーダムで無菌状態を確保し、マイクロスコープを覗きながら感染組織を丁寧に除去・清掃します。1回60〜90分の時間をかけて精密に処置します。

  • STEP 04

    根管充填(MTA・バイオセラミクスによる封鎖)

    清掃した根管をMTAなど高封鎖性材料で緻密に充填します。充填状態はレントゲンで確認し、隙間がないことを確認してから仮封します。

  • STEP 05

    経過確認・最終補綴の製作

    根尖病変の治癒経過を確認しながら最終的な被せ物を製作します。セラミック・ジルコニア等の被せ物と組み合わせて、長期安定する歯を完成させます。

  • STEP 06

    定期メンテナンス(3〜6ヶ月ごと)

    根管治療後の歯は定期的なレントゲンと口腔内チェックで経過を管理します。早期発見・早期対応が長期安定の鍵です。

よくある質問

Q. 保険の根管治療とどう違うのですか?
A. 大きく「使う道具」「時間」「視野」「材料」が異なります。保険は痛みの除去が主な目的。自費は再発予防を含めた根本治療です。マイクロスコープを常時使用し、ラバーダムで無菌状態を保ち、MTAで封鎖することで成功率が大幅に高まります。
Q. 治療後の被せ物は保険が使えますか?
A. 使えません。自費根管治療をした歯に保険の補綴物(銀歯・CAD&CAM冠)を装着することは保険のルール上できません。セラミック・ジルコニア・ゴールドなど自費の補綴物の選択となります。費用と素材の特徴はカウンセリングで詳しくご説明します。
Q. 治療回数・期間はどのくらいかかりますか?
A. 自費根管治療は1回60〜90分の施術で、概ね2〜5回で完了します。保険治療(10〜20回以上)と比較して大幅に通院回数が少なくなります。
Q.「抜くしかない」と言われたのですが、諦めたくありません
A. 他院で抜歯を勧められた場合でも、専門医の精密診断で保存できる場合があります。まずはセカンドオピニオンとしてご来院ください。CT・マイクロスコープを用いた精密診断で、保存可能かどうかを正確に判断します。
Q. MTA覆髄法(神経を残す治療)は誰でも受けられますか?
A. MTA適応かどうかは実際に虫歯を除去してみないとわかりません。「継続的な自発痛(ズキズキ痛む)」が強い場合はすでに神経が壊死している可能性が高く、MTA適応外になることがあります。早期来院が神経保存の鍵です。
Q. 根管治療は痛いですか?
A. 局所麻酔を使用するため、治療中の痛みはほぼありません。治療後に一時的な違和感・軽度の痛みが出ることがありますが、処方された鎮痛剤で対応できる程度です。急性炎症が強い場合は麻酔が効きにくいことがあります(その場合は急性症状を先に沈静化します)。

料金表

  • 歯髄温存療法(MTA)

    神経を抜かずに残す治療。MTAセメントで覆髄 / 別途補綴費用

    MTA¥25,000(税込)

    MTA(逆根管)¥61,000(税込)

  • 自費根管治療(初回)  

    マイクロ・ラバーダム・CT使用の精密根管治療 / 別途補綴費用

    前歯 ¥121,000(税込)

    小臼歯 ¥158,000(税込)

    大臼歯 ¥182,000(税込)

  • 自費根管治療(再治療) 

    〃 奥歯(複雑な根管形態への対応) / 別途補綴費用

    前歯 ¥146,000(税込)

    小臼歯 ¥182,000(税込)

    大臼歯 ¥206,000(税込)

※ 根管治療後の補綴(被せ物)費用は別途かかります。
※ 料金は参考価格です。根管の難易度・本数・状態により前後します。
※ 自由診療(保険適用外)です。医療費控除の対象となります。

リスク・副作用・注意事項

  • 根管内部に穿孔・歯根の破折が存在する場合は、治療成功率が低下することがあります。
  • 自費根管治療は必ず成功するというものではありません。根管の状態・感染の程度・治癒力の個人差により結果が異なります。
  • 治療途中で中断した場合、再び細菌感染が起こる場合があります。
  • 治療後、一時的に腫脹・違和感・痛みが生じることがあります(通常数日〜1週間程度で軽快します)。
  • 根管治療後の歯は脆くなる場合があるため、適切な補綴物での保護が必要です。
  • 自費根管治療後は保険の補綴物の使用ができません(自費補綴が必要です)。

大切な歯を守るために

「抜歯しかない」と言われた方も、一度ご相談ください。
専門医による精密根管治療で、歯を残せる可能性があります。