2024.09.19
コンポジットレジンとは?虫歯治療の費用やメリット・デメリットを解説
虫歯の治療には、詰め物や被せ物が必要になることがあります。保険を利用して安く治療を済ませたいなら銀歯を考えるかもしれませんが、「目立つのはちょっと…」と感じる方も多いでしょう。そんな方には、「コンポジットレジン」という白い詰め物があります。名前はすでに聞いたことがあるかもしれませんね。
コンポジットレジンは、白い歯に仕上げる手軽で経済的な方法ですが、いくつかのデメリットもあります。この記事では、コンポジットレジンの基本情報から費用、メリット・デメリットまで、初心者さんにもわかりやすく説明します。
コンポジットレジンとは?
コンポジットレジンは、歯の色に近い白いプラスチックの詰め物です。略して「CR(シー・アール)」とも呼ばれ、プラスチックとガラスの粉末を混ぜた複合材料です。
主に虫歯の治療や歯の形を整えるために使用され、ペースト状で詰めた後に特殊な光を当てることで固まります。
コンポジットレジンには、保険適用のものと自費診療のものがあり、症状や治療内容に応じて最適なタイプが選ばれます。
コンポジットレジンのメリット5選とは?
コンポジットレジンのメリットは以下の5つです。
治療費用が安い
コンポジットレジンは保険適用の治療材料であり、保険診療で白い詰め物ができるため、費用が比較的安く抑えられます。
歯の色に近い
コンポジットレジンは天然の歯の色に合わせることができるため、治療した部分が目立ちにくく、銀歯に比べて自然な見た目になります。
治療回数が少ない
型取りなどの手間が不要なため、一回の治療で修復が完了します。
金属アレルギーの心配がない
プラスチック素材でできているため、金属アレルギーがある方でも安心して使用できます。
歯をあまり削らない
コンポジットレジンは虫歯の部分だけを削り、その上に詰めるため、周囲の健康な歯をできるだけ残すことができます。
コンポジットレジンのデメリットとは?
コンポジットレジンのデメリットは以下の4つです。
経年劣化を起こしやすい
コンポジットレジンはプラスチックのような素材で作られており、口の中の湿気や紫外線の影響で時間が経つにつれて劣化します。その結果、白さが失われて黄色く変わることがあります。
歯科医の技術力に依存する
コンポジットレジンによる治療は難易度が高いため、歯科医の技術によって仕上がりが大きく異なります。技術力が高ければ持ちが良くなりますが、逆に技術が不十分だと寿命が短くなることもあります。
強度が低い(破損や脱離の可能性)
コンポジットレジンは金属やセラミックに比べて強度が劣ります。そのため、奥歯のように強い力がかかる場所にはあまり向いていません。破損や脱離のリスクがあります。
二次う蝕のリスク
二次う蝕(うしょく)とは、一度治療した虫歯が再び虫歯になることです。コンポジットレジンは強度が低いため、割れるとその隙間に食べかすやプラークが溜まりやすくなります。
この隙間に細菌が入り込み、虫歯が再発する可能性が高まります。虫歯が再発すると抜歯のリスクも高まるため、注意が必要です。
コンポジットレジン(CR)の寿命はどのくらい?
コンポジットレジンの寿命はさまざまな要因によって異なりますが、一般的には2〜3年とされています。ただし、しっかりお手入れをし、定期的に歯医者さんでチェックを受けることで、それ以上長持ちすることもあります。
コンポジットレジン(CR)は虫歯になりやすい?!長持ちさせるケアのポイントは?
コンポジットレジンを長持ちさせるには、日々のセルフケアと定期的な歯科検診やメンテナンスが欠かせません。というのも、コンポジットレジンは時間が経つと「収縮」が起こり、材料が少しずつ縮んで歯との間に目には見えない小さな隙間ができることがあります。この隙間に汚れがたまると、着色や虫歯の原因になるためです。
コンポジットレジン治療後は二次虫歯のリスクが比較的高いため、やはり、セルフケアと定期検診をしっかり続けることが重要です。
コンポジットレジン(CR)の費用はどれくらい?
保険適用の白い詰め物の費用は、1本あたり1,500円〜2,000円です。一方、自然な歯の色に近づけるなど審美性を重視する治療は保険が適用されず、その場合は1本あたり数千円〜数万円かかることがあります。
コンポジットレジン(CR)の保険治療と自費治療の違いは?
治療の範囲や使用する材料によっても違いがありますが、最も大きな違いは「診療にかけられる時間」です。保険治療では、一人あたりの治療時間が大体15分から、長くても30分程度に限られています。
一方で、自費治療では、患者様一人ひとりに対してもっと丁寧に時間をかけることができるため、結果的に精度の高い仕上がりが期待できます。つまり、保険治療と自費治療の違いは、材料費よりもむしろ、かけられる手間や時間にあると言えます。
コンポジットレジン治療(CR)が適さないケースとは?
コンポジットレジンは、小さな虫歯の治療に適しており、主に前歯から第一小臼歯までに使われますが、場合によっては奥歯にも使用されることがあります。
ただし、次のようなケースではコンポジットレジン治療は向いていません。
- 強い力がかかる部分
- 虫歯が広範囲に広がっている
- すでに歯に被せ物がある
- 歯の大部分が欠けている
- 歯ぎしりによって歯がすり減っている
これらの状況では、他の治療法が必要になることがあります。
コンポジットレジン(CR)治療の流れ
麻酔
まず、麻酔をしてから治療するので、痛みを感じることはありません。
虫歯や古い詰め物の除去
虫歯になった部分をていねいに削り取ります。
レジンの充填
削ったところにレジンを少しずつ重ねながら詰めていきます。
硬化
照射器で特殊な光を当てて、レジンを固めます。
仕上げ
研磨してレジンの形を整え、歯が自然に見えるように仕上げます。
コンポジットレジン治療で信頼できる歯科医院の選び方
コンポジットレジン充填は、虫歯治療によく使われる方法ですが、正確に治療しないと、再度虫歯ができてしまうリスクがあります。そのため、手間を惜しまず丁寧に治療してくれる歯医者を選ぶことが、コンポジットレジン治療の成功の鍵です。
さらに、この治療は歯科医の技術によって結果が大きく変わるため、コンポジットレジン治療を得意としているクリニックを選ぶことも重要なポイントです。
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コンポジットレジン(CR)や保険の白い詰め物に関するよくある質問
コンポジットレジン治療は何回くらいやり直しができますか?
一般的には、平均して3回ほどやり直しができると言われていますが、これはあくまで目安です。実際には、歯を削る量や歯の強さによって異なるため、何度も繰り返せるわけではありません。
欠けた前歯をコンポジットレジンで修復できますか?
はい、欠けた部分が小さければ修復可能です。ただし強度が低いため、強い力がかかると再び欠けることがあります。また、噛み合わせによってもリスクが高くなる場合があるので、歯科医とよく相談してから治療方法を決めてください。
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コンポジットレジンで奥歯を修復できますか?
歯の表面の溝にできた虫歯は、コンポジットレジンで治療することが一般的です。ただし、強度や耐久性が低いため、虫歯が大きかったり噛み合わせが悪かったりする場合には、修復が難しいことも。修復が可能かどうかは歯科医師の判断によります。
レジンとはコンポジットレジンのことですか?
歯科治療で「レジン」と言われたら、多くの場合はコンポジットレジンのことを指しています。プラスチックの一種で、歯の色に近い白い素材です。虫歯治療で削った部分や、歯の色を良くしたい部分などを修復する際に使用されます。
保険の白い詰め物は何年くらい持ちますか?
保険診療で使うコンポジットレジンの寿命は、通常2〜3年くらいです。二次虫歯ができやすいので、毎日のケアと定期的な検診をしっかり続けましょう。
まとめ
コンポジットレジンは、小さな虫歯の治療に適しており、保険が適用されるため費用が安く、短時間で手軽に行える点が魅力です。しかし、時間が経つと変色しやすく、耐久性が低いため、虫歯が再発しやすいというデメリットもあります。そのため、広範囲の修復には適していません。
虫歯の再発を防ぎたい、あるいは天然の歯に近い色や質感を保ちたい場合は、経年劣化が少ないセラミック治療も検討してみてください。
YASUOKA DENTAL OFFICE UMEDAでは、口全体を一つの器官として捉える「全顎治療(フルマウスリコンストラクション)」の考え方に基づき、長期的な口腔の健康を維持するための包括的な治療を行っています。
治療後のケアとして、虫歯や歯周病の早期発見を含む「歯科ドック」の受診も推奨されます。予防は治療に勝ると言われるように、早めのケアが健康な口腔環境の維持につながりますので、ぜひ一度ご相談ください。