2024.09.19
エアフローを使った歯科治療とは?歯はどのくらい綺麗になる?メリットや注意点も説明
ふとした瞬間に自分の歯の黄ばみに気づいてしまい、急に恥ずかしくなってしまった!という経験を持つ人も、案外多いのではないでしょうか。
このままでは人前で自分らしい笑顔を出すことができません。歯の汚れが気になっている人の中には、エアフローによる歯のクリーニングを考えている方もおられるのではないでしょうか。
エアフローは効果的なクリーニング治療ですが、気を付けるべきポイントもあります。本記事では、エアフローについてメリットや注意点など詳細を紹介しています。
エアフローが気になる方は、ぜひ内容をご確認ください。
エアフローとは
エアフローとは、最新の予防歯科技術の一つです。高圧の水と超繊細なパウダーを高速で噴射して汚れをパウダーに吸着させて洗い流します。歯の表面や歯間だけでなく、歯周ポケットの汚れやプラークまで徹底的に除去できる点はエアフローの強みです。
エアフローによるクリーニングは従来のスケーリングに比べて痛みが少なく、食品による着色程度なら簡単に落とせます。
凹凸がある箇所やちょっとした隙間のクリーニングには、エアフローが大いに役立つでしょう。
今までのクリーニングとの違い
従来のクリーニングとエアフローは大きく異なります。従来のクリーニングで使われていたラバーカップや超音波スケーラーは、歯の表面や被せ物にダメージを与える可能性がありました。
エアフローは水と空気とパウダー粒子をジェット噴射で歯にあてて汚れを落とすため、歯や歯茎へのダメージを最小限にとどめることができます。
専用の器具やブラシを用いて歯の表面をこする汚れの落とし方とは大きな違いです。
歯周病や虫歯の予防にも役立つことから、エアフローによるクリーニングを希望する患者さまが増えています。
エアフローが歯の健康にもたらすメリット
エアフローはクリーニングのみならず口腔内の健康にも良い影響を与えます。具体的なメリットを4つ、ピックアップしました。
- 効果的な歯垢の除去ができる
- 患者さまへの負担が少ない
- 長い間お口の健康を支えてくれる
- 着色汚れにも効果がある
効果的な歯垢の除去ができる
エアフローは特に歯垢の除去に効果を発揮します。高圧の水と細かい粉末の組み合わせで汚れを落とすエアフローを使ったクリーニングは、従来のスケーリングやポリッシングよりもより効率よく汚れを落とせます。
口腔内のクリーニングのみならず、時間短縮にも効果がある点も見逃せないポイントです。
長い時間に及ぶ施術で負担をかけたくない、という人とってエアフローは最良の選択肢の一つとなるでしょう。
患者さまへの負担が少ない
エアフロー治療は患者さまにとって負担が少ない治療方法です。従来の治療法よりも痛みが少ないため、不快感が大幅に軽減されます。
歯科治療が怖い患者さまも、エアフロー治療ならストレスなく歯を綺麗にできます。
いつ始まるかわからない治療による痛みを耐え凌ぐ必要がありません。リラックスして待っている間に、治療は終わっています。
負担の軽さに相まって治療後の歯の白さと清潔感が得られるため、患者さまの満足度も高まる一方です。
長い間お口の健康を支えてくれる
エアフロー治療はクリーニングのみならず、歯周病や虫歯の予防にも効果的です。定期的にエアフローを使ったクリーニングを受けることによって、歯垢や歯石を定期的に除去できるため、歯肉炎や歯周炎のリスクを低減できます。
痛みや時間など患者さまへ与える負担が少ないため、通院の足が遠のくこともないでしょう。気兼ねなく治療を受けることができます。
常に綺麗なお口を維持することは、予防歯科の観点からもとても大切なことです。
着色汚れにも効果がある
食べ物や飲み物、さらにはタバコなどの着色汚れも綺麗にできます。歯磨きで落とし切るのは難しいですが、エアフローを使えば短時間で綺麗に仕上げることも可能です。
日頃から色素が強い飲食をしている人は、エアフローの効果に驚くかもしれません。ある程度の汚れはスッキリ綺麗にできます。
歯の着色汚れが気になる人は、ホワイトニングの前にエアフローを試してみるのも良いでしょう。
エアフローに必要な費用の相場
エアフローの施術にかかる費用相場はおおむね4,000円〜6,000円です。
エアフローは保険適用外の治療なので、保険治療に比べると費用は割高です。
とはいえ、他の自費診療の項目と比べるとやや割安感はあります。
口腔内のメンテナンスとしてエアフローを実施する目安は3~4ヶ月に1回です。
体感できる爽快感や歯の白さ、清潔感を考えると、たまに行う施術としては妥当な金額と感じる人も多いかもしれません。
エアフローの注意点
エアフローを実施する時の注意点を4つ紹介します。
- エアフローができないケースもある
- 施術後2〜3時間程度は飲食の制限がある
- 施術中の不快感
- 歯の色までは変えられない
エアフローができないケースもある
呼吸器疾患がある人やナトリウム制限がある人、放射線治療中の人、妊娠中の人などはエアフロー治療が受けられないケースもあります。
心当たりのある方はもれなく歯科医師へ相談しましょう。歯科医師からも事前に説明があるので、疾患がある人は申し出ておかなければいけません。
主なエアフロー禁忌症は次のとおりです。
- 重篤な消化器官の潰瘍
- 腎臓障害
- 心機能障害
- 肺機能障害
- 慢性気管支炎
- 喘息や呼吸器疾患
- 放射線治療中
- 化学療法治療中
- 妊娠中
そのほかに口腔内に傷やタダレがある場合や、口腔粘膜が炎症やただれを起こしやすい、大きな虫歯があるケースも施術できません。
間違えてしまうと身体に大きな影響を与えてしまいます。施術前のカウンセリングはしっかりと行いましょう。
施術後2〜3時間程度は飲食の制限がある
エアフローは、ベリクルという歯の表面を保護する膜まで落としてしまうため、施術後は汚れがつきやすい状態になっています。そのためベリクルが復活する2〜3時間の間は飲食を控えなければいけません。
お茶、コーヒー、カレー、ワイン、チョコレート等の色素の濃い飲食物を摂取してしまうと、元に戻ってしまいます。
また、ベリクルがない歯は炭酸飲料などの酸性が強い飲食物にも弱いです。炭酸によって虫歯になりやすい歯を作ってしまっては意味がありません。歯を溶かしてしまわないように注意しましょう。
施術中の不快感
エアフロー治療の間は、舌や歯肉にパウダー粒子が当たってチクチクすることがあります。感覚には個人差がありますが、人によってはパウダーの感覚が痛いと感じる方もいるかもしれません。
また、知覚過敏の方は歯への直接の痛みを感じるケースもあります。
知覚過敏がひどい方にとっては、厳しい痛みを伴う可能性があります。
エアフロー治療は、完全に無痛で済むわけではない点に注意が必要です。治療の前にカウンセリングを忘れないようにしましょう。
歯の色までは変えられない
エアフローは効果的に歯垢を落とすことができますが、歯の白さを取り戻すことはできません。
歯の表面のクリーニングには効果的ですが、歯質から白さを取り戻す治療法ではありません。
ホワイトニングのような効果を望むと期待はずれとなってしまうため、注意しましょう。
歯の白さを取り戻したい場合は、ホワイトニングがおすすめです。エアフローによるクリーニングの後にホワイトニングを行うとより高い効果が得られます。
エアフローを使ったクリーニングの流れ
エアフローを使ったクリーニングの流れを紹介します。
- 問診と口腔内の診察
- バイオフィルムの染め出し
- エアフローの実施
- 仕上がりを確認
問診と口腔内の診察
はじめに問診を行い、口腔内を診察します。歯周ポケットを観察して歯肉の状態をチェックします。歯茎に炎症があると痛みを引き起こす要因となるため、最初の段階で細かくチェックしておく必要があります。
バイオフィルムの染め出し
染め出しによってバイオフィルムを見つけ出します。患者さまと鏡をみながら歯のどんな箇所に汚れが残りやすいか、などを説明しつつ、正しいブラッシングのアドバイスも行っています。
歯科医師からのアドバイスは、日々のセルフケアの参考にしてみてください。
エアフローの実施
エアフローを行い、水と空気に微粒子パウダーを合わせて歯に噴射します。歯の表面や歯間、歯周ポケットに残ったプラークや歯石、着色汚れをくまなく除去していきます。
仕上がりを確認
エアフローを使ったクリーニングが終わったら、歯石の有無をチェックします。歯石が残っている場合は、さらに除去します。
歯石が完全に無くなったらフッ素を塗布して完了です。
まとめ
エアフローは保険適用外ということもあってやや治療費は高いですが、高い治療費に見合うだけのクリーニング効果があります。
口腔内の健康維持にも大きな力を発揮してくれるでしょう。
身体の状況次第ではエアフローができないケースや、施術後の飲食制限もあります。事前の歯科医師とのカウンセリングはとても大切です。
効果を最大限発揮できるよう、うまく調整を進めておきましょう。
エアフローは歯のクリーニングに効果的ですが、本格的に歯の白さを取り戻すことはできません。歯の白さを実現したい方は、ホワイトニングの検討が必要です。