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2025.03.08

1歳の歯並びが悪い?問題の兆候と親ができる対策とは

1歳児の乳歯はまだ生えそろう途中で、ズレや隙間があるのはよくあることです。しかし、将来的に矯正が必要になるのか、今からできることはあるのかと、不安や疑問を抱える方も多いのではないでしょうか。

本記事では、1歳の子供の歯並びに関するよくある疑問をわかりやすく解説します。「今の状態は正常か?」「悪化させないためにできることは?」など、早期に注意すべきポイントを把握することで、将来的な歯並びの問題を予防できます。ぜひ参考にしてください。

 

1歳の歯並びが悪い具体例と注意ポイント

1歳児の歯並びについては、発育の途中であり、歯並びが完全に整っていることを期待するのは早い段階です。ただし、乳歯の生え方や口の状態に注意することで、問題があるかどうかの目安を判断できます。

子供の受け口・しゃくれ

上の前歯よりも下の前歯が前に出ている状態を「受け口(反対咬合)」、下あごが上あごよりも前に出ている状態を「しゃくれ」といいます。受け口やしゃくれは、見た目の問題だけでなく、顎の骨の成長に影響を与える可能性があり、早期の治療が望ましい場合があります。「受け口かな?」と思ったら、ぜひ一度ご相談ください。

小さい子供の受け口

隙間のない歯並び

1歳の時点で歯と歯の間に隙間がないからといって、必ずしも歯並びが悪いとは限りません。しかし、永久歯が生え変わるスペースが十分に確保されない可能性があります。その結果、永久歯が斜めに生えたり、重なったりするなど、歯並びが悪くなるリスクが高まることを知っておいてください。

 

1歳の時点で歯並びが悪いように見えても問題ないケース

歯並びを心配して診せにいらっしゃる親御さんが多いのですが、以下のケースは、乳歯の時点であれば経過観察しても問題ありません。ただし、永久歯の生え始めには少し注意が必要ですので、歯科医院で定期的に診てもらうことをおすすめします。

子供の前歯が斜め・ハの字に生えている

前歯がハの字になっているのは、成長過程でよくあることです。顎が大きくなるにつれ、自然に歯の位置が整っていきます。

子供の前歯にすき間がある(すきっ歯)

乳歯の頃は、永久歯が生えるためのスペースを確保するために、歯と歯の間に隙間ができることがあります。これは自然な成長過程なので、心配する必要はありません。

 

1歳児の歯並びが悪い原因とは?

1歳の歯並びが悪い原因はいくつか考えられます。赤ちゃんの成長や生活習慣が関係している場合が多いですが、ここでは主な原因をいくつか挙げます。

遺伝

両親や家族に歯並びの問題がある場合、赤ちゃんにも似たような特徴が現れる可能性があります。顎の大きさや歯の大きさ、生え方などが遺伝するケースがあります。

悪習癖

指しゃぶり、舌で歯を押す癖(舌癖)、唇を噛む、口呼吸、口腔内の悪い癖、横向き寝やうつ伏せ寝など、歯並びの悪さに影響します。

生活習慣

硬いものをあまり食べない、よく噛まずに飲み込む、不規則な生活など、生活習慣も歯並びに影響します。

 

1歳児の歯並びを悪くしないために親ができること

1歳児の歯並びが悪いことに気づいても、本格的な矯正治療を始めるのはもう少し先になります。現時点では、歯の生え方や顎の成長を観察し、将来的な問題を予防するためのサポートが重要です。以下のポイントを参考に、できることから始めてみましょう。

1. 指しゃぶりやおしゃぶりの頻度を減らす

1歳を過ぎたら徐々に使用を控え、2歳半までを目安にやめるようにしましょう。指しゃぶりやおしゃぶりを長時間続けると、歯や顎に圧力がかかり、歯並びに悪影響を与えることがあります。
特に前歯が出る「出っ歯」や、上下の歯が噛み合わない「開咬」になりやすいので注意してください。

2. 食事で顎の発達を促す

離乳食が進んでいる場合は、少しずつ硬めの食材を取り入れることで、顎の発育を促しましょう。柔らかい食べ物ばかりを食べていると、顎の発達が不十分になり、歯がきれいに並ぶためのスペースが確保できなくなる可能性があります。

3. 乳歯を健康に保つ

1歳を過ぎたら、仕上げ磨きを毎日の習慣にし、正しい歯磨きを実践して虫歯や歯周病の予防を心掛けましょう。乳歯が虫歯になったり、早期に抜けてしまうと、後々の歯並びに影響を及ぼすことがあるため、乳歯の健康を守ることが大切です。

4. 小児歯科で定期的にチェックを受ける

初めての歯科受診は1歳〜1歳半頃が目安です。1歳半健診や定期的な歯科検診を受け、乳歯の生え方や歯並び、歯磨きの方法についてアドバイスをもらいましょう。
また、指しゃぶりや食事の仕方など、歯並びに影響を与える可能性のある習慣についても相談し、適切な指導を受けると安心です。

5. 環境を整える

鼻づまりがある場合は口呼吸になりやすいため、小児科で診察を受け、鼻呼吸ができるようにサポートしましょう。また、横向き寝やうつ伏せ寝は歯列が歪み、噛み合わせに影響を与える可能性があるため、仰向けで寝る習慣をつけるようにしましょう。

 

子供の歯並び、こんな状態は矯正が必要なサイン

1歳の時点では心配ない場合でも、成長とともに以下の状態が見られる場合、小児矯正が必要になることがあります。

反対咬合(受け口)

下の歯が上の歯より前に出て、噛み合わせが逆転している状態です。顎が前に突き出て見えることもあります。

開咬(オープンバイト)

前歯が噛み合わず、隙間が空いている状態です。口を閉じても前歯が重ならないため、口呼吸をしやすく、顔の発育にも影響が出る可能性があります。

上顎前突(出っ歯)

上の前歯が前に突き出ている状態で、いわゆる「出っ歯」と呼ばれます。

叢生(そうせい)

歯が重なり合ってガタガタ乱雑に生えている状態です。歯が密集しているため、歯磨きがしにくく、虫歯や歯周病になりやすい特徴があります。

 

幼児期から歯科検診を受ける5つのメリット

幼児期からの歯科検診は、お子さまの口腔内の健康を維持し、将来の歯の健康へと繋がる上で非常に重要なことです。一般的には、3〜6ヶ月に一度の歯科検診が推奨されていますが、お子さまの状態によって頻度は異なります。以下に、そのメリットを具体的にご紹介します。

1.虫歯の早期発見と予防

乳歯は永久歯よりも虫歯になりやすく、進行も早いのが特徴です。定期的な歯科検診により、虫歯を早期に発見し、小さなうちに治療することで、痛みを軽減し、広範囲な治療を避けます。

乳児のむし歯について

2.歯並びや噛み合わせのチェック

生え変わりの時期には、歯並びや噛み合わせに問題がないか、定期的にチェックすることが大切です。早期発見で、後々大きな問題に発展するのを防ぎます。

3.正しい歯磨きの指導

歯科医から、お子さま一人ひとりの歯の状態に合わせた正しい歯磨きの指導を受けられます。ご家庭での歯磨き習慣を確立し、虫歯予防に繋げましょう。

4.歯医者さんへの慣れ

小さな頃から歯科医院に行き慣れることで、歯医者さんに対する恐怖心を軽減し、将来、歯の治療が必要になった際にもスムーズに受診できます。

5.口腔内の健康全般のチェック

歯だけでなく、歯肉や舌の状態なども含め、口腔内の健康状態を総合的にチェックします。口呼吸や口が開いているなど歯並びを悪くするような問題があれば早期に発見し、適切な対処ができます。

 

1歳の歯並びに関連するよくある質問

赤ちゃんの歯並びはいつごろ決まりますか?

赤ちゃんの歯並びは、永久歯が生え始める6歳頃までにほぼ決まると言われています。1歳で歯並びが悪いと、将来も悪いままだと思うかもしれませんが、永久歯が生え変わる際に改善されることもあります。

1歳の乳歯が少しガタガタしていますが、大丈夫ですか?

多くの場合、問題ありません。1歳では乳歯がまだ生えそろっていないため、歯並びが一時的に不揃いに見えることがあります。成長に伴って顎が発達することで自然に整うことが多いです。
ただし、指しゃぶりや舌の癖が長期間続いたり、噛み合わせに異常を感じたら歯科医に相談してください。定期的に歯科検診を受けると安心です。

添い乳をすると赤ちゃんの歯並びが悪くなるって本当ですか?

はい。歯科的にいえば、添い乳はやめた方がいいでしょう。虫歯リスクを高め、顎の成長に悪影響を及ぼす可能性があるためです。ママの体調が優れない時など、一時的な利用にとどめるのがおすすめです。

お子さんの歯並びについて

 

まとめ

1歳の子供の場合、大切なのは、歯並びを悪くする習慣をなくし、定期的に歯科検診を受けることです。そうすることで、将来的な歯並びの問題を早期に発見し、適切な時期に治療を開始できます。1歳の歯並びが気になる場合は、「まだ早いかな?」と思わず、小児歯科での相談をおすすめします。早めのケアでお子さまの歯の健康を守りましょう。小児歯科でお悩みの方は、YASUOKA DENTAL OFFICE UMEDAまでお気軽にお問い合わせくださいませ。

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