コラム

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2023.02.16

歯周病を知る

歯周病を知る

こんにちは。皆さんは「歯周病」と聞いてどんなイメージを持たれていますか?

歯が抜ける病気。歯みがきすると歯茎から血が出てくる病気。高齢者がかかる歯の病気。若者は無縁の病気。など・・・。
歯周病に対するイメージは人それぞれかと思います。そんな歯周病について本日は少しお話をさせていただきます。

歯周病について

歯周病で治療されている年齢層

統計的に歯周病にかかり治療をされる方の一番多い年代は中高年と呼ばれている年齢層に多く、30歳代から徐々に罹患率が増えつつあります。50歳半ばから60歳半ばになるとその割合は50%以上にもなっています。

成人になるにつれて多く見られる病気で、歯周病の前段階として考えられている歯肉炎を含めると、歯周病は日本の成人の8割がかかっているとも言われています。

歯周病菌とは?

歯周病

歯周病の原因は「歯周病菌」という細菌が原因で発症される感染性炎症疾患の一つです。この細菌は歯周ポケット内のプラーク(歯垢)に生息し、歯の周りの歯ぐきに炎症をひき起こします。そしてこの炎症が進行すると歯を支えている骨を溶かし、最後には支えていた骨が破壊されて歯が抜けてしまうとても怖い病気です。

また、この歯周病は自覚症状が少ないのも特徴で、気付かないうちに進行していることもあります。

まずは歯周病のセルフチェック

【全体】
  • 口臭を指摘された・自分で気になる
  • 朝起きたら口の中がネバネバする
  • 歯みがき後に、毛先に血がついたり、すすいだ水に血が混じることがある
【歯肉の症状】
  • 歯肉が赤く腫れてきた
  • 歯肉が下がり、歯が長くなった気がする
  • 歯肉を押すと血や膿が出る
【歯の症状】
  • 歯と歯の間に物が詰まりやすい
  • 歯が浮いたような気がする
  • 歯並びが変わった気がする
  • 歯が揺れている気がする
【判定】

チェックが1~3個の場合:歯周病の可能性があるため、軽度のうちに 治療を受けましょう。
チェックが4~5個以上の場合:中等度以上に歯周病が進行している可能性 があります。早期に歯周病の治療を受けましょう。
チェックがない場合:チェックがない場合でも無症状で歯周病が進行することがあるため1年に1回は歯科検診を受けましょう。

日本臨床歯周病学会, 2023, 「歯周病とは?」, 日本臨床歯周病学会ホームページ, (2023年2月16日取得, https://www.jacp.net/perio/about/)

歯周病による大きなリスクとは?

歯周病の進行を放っておくと歯が抜け落ちてしまったり、歯周病の原因である歯周病菌が血液中に侵入してしまうと全身にも悪影響を及ぼします。歯周病菌が原因で心筋梗塞を始め心筋症などといった心臓病、動脈硬化、糖尿病、脳梗塞、胃がん、胃潰瘍、誤嚥性肺炎など、その他にもいろいろな病気がひき起こされていると言われています。

歯周病の治療や歯周病リスクを下げるメリットは?

歯周病の治療や、歯周病リスクを下げる為に日頃からデンタルケアを行うことは、大切な歯を維持することもでき、歯周菌の影響によって引き起こされる体全体のさまざまな病気も予防できると言われています。

歯周病の治療について

歯周病の治療について

歯周病は必ずしも全ての人がかかる病気ではありません。毎日の歯みがきをきちんと行い、定期的な歯科検診で原因であるプラークや歯石を除去する事によっては防げる病気です。しかし、歯周病によっては予防できない特殊なケースがあったりする場合もあります。歯周病の心配がある方は一度歯科医院で受診をおすすめいたします。歯周病の治療には保険適応内で行うことができる歯周病治療と保険適応外の「トータルヘルスプログラム(THP)=根本的歯周病治療」があります。

一般的な歯周病治療

歯科衛生士が担当。保険適用内で歯垢や歯石除去をメインとした治療法。治療によって進行を一旦止めることは可能ですが、またしばらくすると思考や歯石が溜まり、歯周病が再発する可能性が高い。一般歯科医院で受診可能。

THP(根本的歯周病治療)

専門の知識を持った「THP認定歯科衛生士」が担当。保険適用外ではあるが、原因菌をさまざまな検査を行い特定し、歯周病細菌に直接アプローチした除菌、メンテナンスを行う、歯周病を改善していく為の歯周病に特化した専門治療プログラム。歯周病細菌を除菌されるため再発が大幅に抑えられる。

しかし、このTHPを導入する歯科医院は高難度の認定試験に合格したTHP認定歯科衛生士を在籍させる必要があるため、導入医院も限られており、導入された医院でしか受診できない。

歯周病の治療やリスクを減らす為の口腔ケアを行う事によって、長期的に健康維持が期待され、身体全体にもたくさんのメリットがあると考えられています。口腔内の健康状態をもう一度見直してみてはいかがでしょうか?

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