2024.02.22
虫歯予防を助けるキシリトールの働きとは?
キシリトールとは
キシリトールとは天然素材の甘味料でシラカバやカシを原料に主にフィンランドで生産されています。私達の身近なところでは果物(いちご、ラズベリーなど)や野菜(レタス、ほうれん草、カリフラワーなど)にも含まれています。
キシリトールとミュータンス菌
虫歯のきっかけ、始まりをつくるミュータンス菌は、このキシリトールによって活性が弱まります。1日10g程度を3ヶ月以上継続することで虫歯予防が期待できます。
キシリトールの効果
キシリトールは、虫歯の予防効果が期待できます。むし歯の発生、進行を防ぐ主な効果は5つあります。
- 酸を生成しない
キシリトールが口腔内に入ると、ミュータンス菌は糖質と間違えてキシリトールを取り込みますが、糖質とは違いキシリトールでは酸を生成できないので、歯が溶ける脱灰が起こりません。
さらにミュータンス菌がキシリトールを摂取することで、菌の活性が弱まり糖質を摂取しても酸を生成しにくくなります。 - ミュータンス菌の活性を弱め性質を変える
プラーク(歯垢)のネバツキがなくなり、歯からプラーク(歯垢)がはがれやすくなります。 - 唾液を中和する能力を助ける
お口の中に食べ物が入ると酸性に傾きますが、キシリトールガムに含まれるリン酸水素カルシウムがお口の中を元の中性に戻してくれることで、pHを5.7以下に下げません。(緩衝能が高くなる)
pHの値5.5以下の酸性になると、歯が溶け始めます。 - 初期むし歯を治そうとする力がある(再石灰化)
キシリトールは唾液中のカルシウムと結びつく性質があり、白濁部位(初期むし歯)にカルシウムやミネラルを補給してくれます。 - 唾液の分泌を促進する
キシリトールを摂取することで、味覚を刺激し唾液の分泌が促進されます。また効率よくキシリトールを摂取することができるガムを噛むことで咀嚼により唾液が分泌されます。
キシリトールガムの摂り方
効率よくキシリトールを摂るには歯科専売のキシリトール100%のガムがおすすめです。良く噛むことで唾液量が増すので、10分は噛んでいただくことが理想的です。
また妊婦さんはお子さんがお腹の中にいる時から、1日3回計3粒摂取すると生まれてくるお子さんのミュータンス菌の数を減らす効果が得られます。
- キシリトール100%のものを使用しましょう。
- むし歯のリスクが低い方は1日3回計3粒(1日に必要な摂取量は5~10)、むし歯のリスクが高い方は1日3回計6粒を目安とします。
- 食べ始め2~5分間がキシリトールを多く摂取できます。
- 良く噛むことで唾液量が増すので、10分間は噛んでいただくことが理想的です。
まとめ
本記事では、キシリトールが虫歯予防に効果があることについてご紹介しました。しかし、キシリトールを摂取していれば虫歯にならないというわけではありません。ご自身のケアや、定期的なメンテナンスで口腔内を清潔に保ちましょう。
気になることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。