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2024.12.23

気になる出っ歯はマウスピース矯正で改善できる?

出っ歯やガタガタに並んだ歯など、歯並びのお悩みを抱えている方は実はかなり多いと言われています。

そういったコンプレックスを解消する方法として、歯並びや噛み合わせを整える歯列矯正という方法があります。

歯列矯正の中でも近年注目されているマウスピース矯正は、患者様の負担も少ないため多くの歯科医院で推奨されています。

そんなマウスピース矯正ですが、出っ歯の治療にも適しているのでしょうか?

今回は「出っ歯」に悩んでいる方、マウスピース矯正を検討されている方にぜひ読んでいただきたい内容です。

出っ歯は日本人に多い不正咬合の一種です

日本人は、世界的に見ると不正咬合の割合が大きいと言われています。

その中でも出っ歯に悩む方は多く、子どものころから治療を行っているというケースも少なくありません。

そんな「出っ歯」について、まずは詳しくみていきましょう。

「出っ歯」とは?

出っ歯は、歯並びが乱れている不正咬合の一種で、正式には「上顎前突」と言います。

上の前歯が下の前歯に比べて極端に突き出ている歯並びで、日本人に多くみられます。

乳歯の時代から出っ歯が目立つ場合もあれば、永久歯に生え変わってから目立つようになる場合もあります。

また、年齢を重ねていくにつれて歯並びが変化して前歯が目立ってくるというケースもあるため、気になった時に治療を行うことが重要です。

出っ歯の特徴

出っ歯(上顎前突)には、以下のような特徴があります。

  • 上の前歯が極端に突き出ているため、口が閉じにくい
  • 口元が不自然に盛り上がっている
  • 前歯で食べ物を噛みきれない
  • 笑った時に歯茎が目立つ
  • 口を閉じると口元に梅干しのようなシワが目立つ

出っ歯の原因

出っ歯の原因は、患者様によって異なります。

上下の顎のバランスによって起こっている出っ歯は、遺伝性のものであることが考えられます。

また、指しゃぶりや爪噛み、歯ぎしり・食いしばりといった口腔習癖も出っ歯を悪化させるリスクを含んでいます。

子どもの頃は目立たなかった前歯が永久歯になって急に目立ち始めたというケースでは、親知らずが関係している可能性もあります。

出っ歯のデメリット

出っ歯は、見た目が気になる以外にも、以下のようにさまざまなデメリットがあります。

健康面から見ても、早めに治療を行い歯並びを整える必要があるでしょう。

  • 虫歯や歯周病のリスクが高まる
  • お口の乾燥による口臭が出やすくなる
  • 口呼吸になってしまい、感染症のリスクにつながる
  • 顎関節症など、お口以外の問題を引き起こす可能性がある

 

マウスピース矯正を行うことのメリット5つ

出っ歯などの不正咬合を改善するにあたってマウスピース矯正を行うことのメリットを紹介していきます。

さまざまなメリットがある治療方法ですが、今回はその中でも大きなメリットを5つ解説します。

1.歯並びのコンプレックスを解消できる

マウスピース矯正によって歯並びが改善すると、お口のコンプレックスを解消して充実した日々を過ごせるようになります。

前歯が気になって人前で笑えないかったという患者様も、マウスピース矯正を行うことで自信を持って笑顔になれるでしょう。

美しい口元は、QOLを大きく向上させるポイントといえます。

2.お口のトラブルリスクが軽減される

マウスピース矯正によって歯並びが改善すると、虫歯や歯周病のリスクが軽減されます。

今まで歯ブラシが行き届かなかった場所や乾燥しがちになっていた前歯もしっかりとケアができるようになります。

また、マウスピース矯正では治療中も装置の取り外しが自由に行えるため、毎日の歯磨きに支障をきたす心配もありません。

3.矯正治療中であることが目立たない

患者様にとって「治療中に装置が目立たない」という点は、マウスピース矯正の最大のメリットと言っても過言ではないでしょう。

矯正に使用するマウスピースは透明で薄いため、装着していてもお口が目立つ心配がありません。

また、どうしても外したいシーンでは患者様自身で取り外すことができるため、万が一の時にも安心です。

4.痛みの少ない治療が行える

マウスピース矯正は、従来のワイヤー矯正に比べると患者様の負担は少なくなっています。

歯を動かす速度を綿密に計算し、痛みの出ないペースで治療を続けていくため、治療中に痛い思いをする心配がありません。

また、マウスピース矯正ではお口の中で装置が擦れて口内炎ができるなどのリスクも軽減できます。

5.不正咬合の度合いに合わせたマウスピースが使用できる

マウスピース矯正には、大きく分けてお口全体の矯正を行うものと部分的な治療を行うものがあります。

複雑な歯並びやお口全体の噛み合わせを整える必要がある場合には全体の矯正、部分的な不正咬合を解消したい場合には部分矯正など、症例によってマウスピースの形状を選べることもマウスピース矯正の大きなメリットと言えるでしょう。

出っ歯治療のマウスピース矯正にかかる費用

マウスピース矯正をはじめとする歯列矯正治療は、原則として保険が適用されません。

そのため、マウスピース矯正も歯科治療の中ではかなり高額な部類と言えるでしょう。

費用の内訳は歯科医院によっても異なりますが、基本的には相談料や検査・診断料、マウスピースの作成費用、調整料、メンテナンス料などを含めた金額であることが多いです。

以下では、全体の矯正と部分的な矯正にかかる費用の相場を紹介します。

お口全体のマウスピース矯正にかかる費用

重度の出っ歯などお口全体のバランスを整える必要があるケースでは、部分的な矯正ではなく全顎矯正が適用されます。

歯並びの状態によって治療期間は大きく変動しますが、費用は大体60万円〜100万円ほどであることが一般的です。

費用的には負担の大きな金額になりますが、上の歯だけであれば少し安く済むこともありますので、まずは相談してみることをおすすめします。

部分矯正で完了できる程度の出っ歯の場合

軽度の出っ歯を改善する程度であれば、マウスピースによる部分矯正がおすすめです。

部分矯正は、前歯を少し後ろに下げたり向きを整えたりする治療に用いられる方法です。

費用は30万円〜60万円ほどが目安となります。

全顎矯正と比べると費用の負担も少なく、初めての治療としても取り組みやすいというメリットがある一方で、全体の噛み合わせを整える力はないため、出っ歯治療というよりは叢生などの治療に用いられることが多い方法でもあります。

マウスピース矯正以外の選択肢も

重度の出っ歯や、それ以外の不正咬合が重なっているような歯並びの場合、マウスピース矯正だけでは治療が難しいこともあります。

そういった場合には、ワイヤー矯正を併用する治療方法がおすすめです。

ある程度ワイヤー矯正で歯並びを整えたのち、マウスピース矯正に取り組むことで歯並びの安定や後戻り防止にもなるでしょう。

ワイヤー矯正は、見た目が目立つなどハードルの高いイメージを持つ方も多いですがマウスピース矯正よりも幅広い症例に対応できるなどのメリットがあります。

まずは歯科医院で歯並びの状態を検査した上で、納得の結果を得られるようにさまざまな治療方法を検討してみてください。

まとめ

出っ歯は、正式には「上顎前突」といい、日本人に多くみられる不正咬合の一つです。

遺伝的な要因や生活習慣によるものなど、原因は患者様によって異なります。

そんな出っ歯ですが、元々はマウスピース矯正での治療が難しいとされていました。

しかし現在、進歩を遂げたマウスピース矯正は、出っ歯の改善にも用いられるようになりました。

歯並びの状態によっては抜歯が必要であったり、ワイヤー矯正と併用する必要があったりすることもありますので、まずは歯科医院で歯並びの検査を受けるようにしましょう。

また、マウスピース矯正は保険が適用されない自費診療の治療です。

治療期間が長い分、費用も高くなりますので前もって確認しておくようにしたいですね。

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