2024.05.31
セラミックの詰め物がとれたときの対処法は?原因や注意点も解説
虫歯治療で歯を削った後、セラミックの詰め物を入れることがありますが、何らかの理由でセラミックがとれてしまうことがあります。セラミックの詰め物が急にとれると、慌ててしまう人も少なくありません。
この記事では、セラミックの詰め物・被せ物がとれたときの対処法や主な原因、注意点などを解説します。いざというときに備えて、セラミックについて理解を深めておきましょう。
セラミックとは
セラミックは、白い陶器素材(セラミック)でできた、詰め物や被せ物のことです。天然歯のように見た目がきれいなため、虫歯治療の際、詰め物や被せ物としてセラミックを選ぶ人が増えています。
保険が適用されないので費用はかかるものの、劣化しにくいので、再治療のリスクを大幅に抑えることが可能です。
セラミックがとれた原因
そもそも、セラミックの詰め物や被せ物は、なぜとれるのでしょうか?セラミックがとれた原因は、主に6つ考えられまます。
虫歯
セラミックがとれた最大の原因は、虫歯です。詰め物と歯の隙間に虫歯菌が侵入すると、虫歯が再発します。虫歯が悪化することで歯が溶けて、セラミックの詰め物や被せ物がとれやすくなるのです。
歯ぎしりや食いしばり
虫歯がないのに、詰め物や被せ物が取れた場合は、睡眠中の歯ぎしりやストレスによる無意識の食いしばりが原因かもしれません。歯ぎしりや食いしばりの癖があると、歯に過度な圧力がかかり、セラミックの詰め物や被せ物がとれやすくなります。
事故
交通事故やスポーツ時などの事故によって、口元に強い力が加わると、セラミックの被せ物や詰め物がダメージを受けやすいです。例えば、球技中に顔にボールが当たったとき、衝撃によりセラミックがとれてしまうことがあります。
差し歯や詰め物の経年劣化
基本的にセラミックは強度が高いですが、セラミックの材質によっては強度不足によりセラミックがとれてしまうこともあります。
ハイブリッドセラミックがその例で、プラスチックにセラミックの粉末が加わっているため、オールセラミックと比較すると強度や耐久性が劣るのは否めません。特に、奥歯は強い力がかかりやすいので、要注意です。
歯の形と合っていない
セラミックの詰め物や被せ物が歯の形と合っていないことも、セラミックがとれてしまう原因の一つです。これは、虫歯治療時の医師の技術の問題といえるでしょう。歯を削る際の形成に問題があると、何度接着してもセラミックがとれてしまいます。
接着剤の劣化
セラミックは専用の接着剤で歯に接着しますが、数年経つと接着剤が劣化していく傾向があります。接着剤が少しずつ流れ出すことで接着力が弱まってしまい、セラミックの詰め物や被せ物がとれてしまうことも少なくありません。
セラミックの詰め物がとれたときの対処法
セラミックの詰め物が取れてしまったとき、どのように対処したらよいのでしょうか?いざというときに備えて、対処法を把握しておきましょう。
歯科医院に連絡する
セラミックの詰め物がとれたら、すぐに歯科医院に連絡してください。詰め物や被せ物の治療を受けた歯科医院が望ましいですが、難しい場合はお近くの歯科医院でも構いません。
セラミックがとれた歯は、非常にもろく、そのままにしておくとさまざまなリスクがあります。自己判断で対応せず、必要な応急処置などの指示を受けましょう。そして、なるべく早い日程で受診することが重要です。
取れた詰め物を保管しておく
歯科医院を受診するまで、取れた詰め物や被せ物は保管しておいてください。歯と詰め物の状態に問題がなければ、そのまま再接着できる可能性もあります。
とれたセラミックは、水や歯ブラシで軽く洗って乾燥させてから、透明のジッパー袋やプラスチックケースに入れて保管しておくとよいです。ティッシュに包んでもよいですが、ゴミと間違えて捨てないように注意してください。
お口の中を清潔に
すぐに歯科医院に行ければよいですが、さまざまな事情で歯科医院に行くまで日にちが空いてしまうこともあるかもしれません。セラミックがとれた状態の歯は虫歯になりやすい状態なので、丁寧に歯磨きをしてお口の中を清潔に保つことを意識しましょう。
ただし、強く磨くと歯の内部が削れてしまうことがあるので、やさしく磨くことがポイントです。痛みがある場合は、無理のない範囲で構いません。
セラミックがとれたときの注意点
セラミックの詰め物や被せ物が取れてしまったとき、注意したいことがいくつかあります。
自分ではめない
とれたセラミックを自分ではめるのは、絶対にやめてください。もちろん、市販の接着剤でつけるのもNGです。家庭用の接着剤は体に害を及ぼすこともあるので、とても危険です。医師が治療する際に治療が困難になるケースもあるので、自分ではめるのは避けましょう。
セラミックが取れたところで噛まない
セラミックがとれた部分は歯の土台のみなので、象牙質や神経が露出している可能性もあります。少しの刺激で痛んだりしみたりすることもあるかもしれません。また、噛む衝撃で歯が割れることもあります。歯科医院を受診するまでの間、セラミックがとれた歯と反対側で噛むようにしてください。
固いものや刺激物を控える
セラミックの詰め物や被せ物が取れた歯は、非常にデリケートです。ピーナッツやおせんべいなど硬いもの、冷たいものや熱いもの、辛いものや酸っぱいものなどの刺激物を極力避けてください。歯を痛めたり 歯が割れたりする原因になることがあります。
セラミックを再利用できるとは限らない
とれたセラミックを再利用できるのは、セラミックが破損してないことが必須です。また、セラミックがとれた部分の歯が健康であることも重要です。もし、セラミックが破損していたり虫歯があったりする場合は、再利用は難しいでしょう。その場合は、新しく作り直すことになります。
セラミックを長持ちさせる方法
セラミックは10年以上長持ちするといわれていますが、お口の中の状態やケアの方法によっては寿命が変わります。できるだけセラミックを長持ちさせるために、以下の3点を意識してみてください。
ブラッシングを丁寧に
治療した箇所が再び虫歯にならないように、ブラッシングをより丁寧に行いましょう。歯間ブラシやデンタルフロスでのケアも習慣にすると、さらによいです。自分に適したブラッシング方法が分からない場合は、歯科医院でブラッシング指導をお願いするのもおすすめです。
歯ぎしりや食いしばりを防ぐ
セラミックは非常に硬い素材ですが、強い衝撃が加わると欠けたり割れたりする可能性があります。歯ぎしりや食いしばりはセラミックにダメージを与えやすいので、就寝中は睡眠時専用のマウスピース「ナイトガード」を装着するとよいでしょう。
定期検診に通う
定期検診は、3~6ヶ月に1回のペースで通うのが理想的です。定期健診に通うと、虫歯や歯周病に早めに対処できるだけでなく、自分では取れない歯垢や歯石の除去も可能です。さらに、噛み合わせやセラミックの状態も確認できるので、より長持ちしやすくなるでしょう。
まとめ
今回は、セラミックの詰め物がとれたときの対処法、セラミックを長持ちさせる方法などについて解説いたしました。セラミックがとれた際は、まずはとれたセラミックを保管して、なるべく早めに歯科医院を受診してください。そして、丁寧なブラッシングを行うことと定期検診に通うことが重要です。安岡デンタルオフィスでは、お口の中のトラブルにも最適な治療法で確実に対処します。そして治療後も、3ヶ月に1回のメンテナンスを行い、キレイな状態を維持します。セラミックでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。