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2024.10.08

根管治療で膿が出る理由とその対処法とは?

根管治療を受ける際、過去の歯の治療で苦い経験をした方や、周囲から治療について聞いたことがある方の中には、「膿が出るのではないか」「治療中に痛みや不快感が続くのではないか」と不安に感じる方も多いかもしれません。

本記事では、根管治療で膿が発生する理由やその症状、最適な対処法について詳しく解説します。

根管治療で膿が出る理由とは?

膿が発生する主な原因は、細菌感染が進行しているためです。歯の内部には神経や血管が通る「歯髄」(しずい)という部分があり、虫歯の進行や歯の損傷によって細菌が入り込むと、感染が発生します。これに対抗するために体は免疫反応を起こし、細菌と戦った結果として膿が溜まるのです。

膿が溜まると現れる症状とは?見逃せないサイン3つ

歯の根っこに膿が溜まると、以下のような症状が現れることがあります。

歯茎の腫れ

体が膿を外に出そうとし、歯茎に「膿瘍(のうよう)」という腫れ物が現れることがあります。これは、歯の根元に膿が溜まったときによく見られる症状です。

膿の排出

膿が一定量溜まると、体はそれを排出しようとして歯茎に出口(サイナストラクト)を作り、そこから膿が漏れ出すことがあります。膿が排出される際には口の中で不快な匂いを感じることも。

歯が浮いたような感覚や痛み

膿が溜まり、周囲の骨や組織に圧力がかかると、歯が浮くような感覚や不安定さを感じることがあります。また、鈍い痛みやズキズキとした痛みが生じることもあります。

これらの症状が現れた場合は、できるだけ早く歯科医に相談することが重要です。

根管治療で膿を出す方法とは?

根管治療で膿を排出する治療方法について、以下のようなアプローチが取られます。

麻酔

痛みを感じないように麻酔が施されます。

穴を開ける

歯に小さな穴を開け、感染している部分にアクセスします。

膿を排出

根管内に溜まった膿や感染した部分を取り除きます。

清掃と消毒

根管を徹底的に洗浄・消毒して感染の再発を防ぎます。

充填・修復

空になった根管を詰め物で密封し、最後に歯を修復します。

根管治療は、膿が溜まっている原因となる感染を取り除くための手法です。しかし、治療後に膿が止まらない場合は、再治療や追加の処置が必要です。

根管治療で膿を排出した後、痛みはどのくらい続く?

治療後、数日間は軽い鈍痛や圧迫感を感じることがありますが、多くの場合、1週間以内に痛みは和らぎます。痛みが1週間以上続く、または悪化する場合は、歯科医に再度相談することをおすすめします。

根管治療したのに膿が止まらない?!考えられる理由とは

根管治療を受けた後に膿が止まらない場合、いくつかの原因が考えられます。

根管内に細菌が残っている

治療中に取り除ききれなかった細菌が再び感染を引き起こし、膿が溜まることがあります。この場合、再度根管治療を行い、徹底的に清掃・消毒する必要があります。

根管の封鎖が不完全である

根管の封鎖が不十分だと、再び細菌が侵入し感染を引き起こします。膿が溜まり続ける場合、再封鎖が必要になることがあります。

新たな感染が発生した

根管治療後に歯に亀裂が入ったり、新しい虫歯ができることで、再び細菌が侵入し感染が広がることがあります。

治療後のケア不足

治療後に適切なケアが行われていないと、感染の再発が起こりやすくなります。適切な歯磨きや定期的な検診が重要です。

根管治療しても膿が止まらない場合の対処法とは?

膿が止まらない場合、以下の対処法が考えられます。

再根管治療(再治療)

最も一般的な対処法は、再び根管治療を行うことです。治療後に残っていた細菌や新たに感染が広がった場合、歯の内部を再び開いて清掃・消毒し、再度詰め直す処置が行われます。これは「再根管治療」と呼ばれ、通常の根管治療と同じ手順を繰り返します。

歯根端切除術(しこんたん切除術)

再根管治療で改善しない時や、歯の根の先端部分に膿が溜まっている場合には外科的に対処する方法があります。

歯根尖切除術(しこんせん切除術)と呼ぶ歯科医師もいて、歯茎を切開して根の先端を直接清掃し、膿の袋(膿瘍)を取り除く手術です。これにより、感染した部分が除去され、再発を防ぐことができます。

意図的再植術

根管治療後に歯根端切除がうまくいかなかった場合には、意図的再植術が検討されることがあります。意図的再植術は、歯を一度抜いて、根の部分を修復・治療した後、元の位置に再び戻す手法です。

抗生物質の使用

膿が溜まっている段階で急性の感染症が進行している場合、抗生物質が処方されることがあります。これにより、感染が一時的に抑えられ、症状が軽減しますが、根本的な治療には再根管治療や外科的処置が必要です。

抜歯

根管治療や外科的処置が成功しない場合には、最後の手段として抜歯が選択されることがあります。歯を抜いた後は、インプラントやブリッジなど歯を補う治療が行われます。

根管治療で膿を出す際の治療期間と費用はどのくらい?

治療期間は通常3〜4週間程度で、1週間に1回程度の通院が一般的です。ただし、複雑なケースではそれ以上かかることもあります。

根管治療で膿を出す場合の費用は、自由診療と保険診療で大きく異なります。以下は、一般的な相場です。

保険診療の場合

  • 根管治療は1本あたり約5,000円~10,000円
  • 膿の排出処置(排膿処置)は、通常、根管治療の一環として行われるため、追加費用は数百円〜数千円程度です。
  • 合計費用は初診料や薬代なども含めると、3回程度の通院で15,000円〜30,000円程度になることが多いです。

自由診療の場合

  • 根管治療は1本あたり50,000円〜150,000円程度
  • 膿の排出処置は別途処置料金がかかる場合があり、数千円〜1万円程度のことが多いです。
  • 合計費用は使用する材料やクリニックによりますが、50,000円〜200,000円程度かかることがあります。

当院の根管治療について

YASUOKA DENTAL OFFICE UMEDAでは、根管治療の精度を高めるために「マイクロスコープ」や「ラバーダム」を使用しています。

マイクロスコープは、歯の内部を拡大して見ることができる顕微鏡で、肉眼の最大21.3倍で見ることができます。これにより感染をしっかり取り除き、再発を防ぎやすくなりました。

ラバーダムは、ゴム製のカバーで、治療中に唾液や細菌が治療箇所に入らないように保護するためのものです。これにより治療の安全性が高まり、再感染のリスクを減らすことが可能です。

マイクロスコープを使った精密な根管治療についてもっと知りたい方は、以下のコラムをご覧ください。歯を残すための選択肢、マイクロエンド治療を徹底解説

梅田で根管治療を受けるならYASUOKA DENTAL OFFICE UMEDAへ

根管治療で不安を感じている方、特に膿や痛みが気になる場合は、我慢せずに根管治療を専門とした歯科医に相談することが大切です。

YASUOKA DENTAL OFFICE UMEDAでは、痛みをできるだけ抑えた治療と、リラックスして受けられる丁寧なカウンセリングを行っています。

さらに「マイクロスコープ」や「ラバーダム」といった最新の技術を活用し、精度の高い根管治療を提供しています。膿や痛みでお困りの方や、治療がうまくいっていないと感じている方も、ぜひお気軽にご相談ください。

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