歯周病治療

歯周病は、
歯ぐきだけの病気ではありません。

歯周病とは、歯周病原細菌などが関与する感染性の炎症性疾患です。
炎症は歯ぐき(歯肉)にとどまらず、歯を支える骨(歯槽骨)や歯根膜まで壊していき、
進行すると歯がぐらつき、最終的には抜け落ちることもあります。

だから当院は、歯石やプラークを取り除くだけで歯周病の治療を終わりにしません。
原因を調べる → 感染と炎症をコントロールする → 再評価する → 良好な状態を維持する。
この流れを、歯科医師と歯科衛生士が一続きの計画として管理します。

安岡デンタルオフィス梅田院は、西梅田駅から徒歩2分。医療法人 翼翔会 理事長・安岡大志が診療にあたる院です。
大阪歯科大学 細菌学講座で学んだ「細菌感染症としての歯周病」という視点を土台に、細菌検査から歯周基本治療、
歯周外科・再生療法、歯を残せなかった場合のインプラントまで、ひとつの医院で対応します。

このような症状・状況の方は
ご相談ください

歯周病のご相談をおすすめする方とは、歯ぐきや歯の変化に気づいた方、ほかの歯科医院で抜歯をすすめられた方、治療歴や持病のある方です。
歯周病の初期は痛みがほとんどありません。
次のどれかに当てはまる方は、検査をおすすめします。

  • 歯ぐきの変化に気づいた方

    • 歯みがきのとき、歯ブラシに血がつく
    • 歯ぐきが赤く腫れている、押すと膿が出る
    • 口臭を指摘された、口の中がねばつく
    • 歯ぐきが下がり、歯が長く見えるようになった
  • 歯そのものに変化がある方

    • 歯がぐらつく、硬いものが噛みにくい
    • ほかの歯科医院で「抜くしかない」と言われた
  • 治療歴・持病がある方

    • 以前に歯周病の治療を受けたが、また出血や腫れが出てきた
    • 糖尿病、心臓の病気、妊娠中など、口の中と全身の関係が気になる
    • 症状はないが、自分の歯周病リスクを知っておきたい

症状がなくても、歯周病は検査で見つけることができます。

歯周病とは
─ 原因と進み方、全身への影響

歯周病とは、歯周病原細菌によって歯ぐき・セメント質・歯根膜・歯槽骨などの歯を支える組織に
炎症が起こり、徐々に組織が壊されていく感染性の炎症性疾患です。
炎症が歯ぐきにとどまっている状態を「歯肉炎」、炎症が進行して歯槽骨などの組織まで破壊される状態を
「歯周炎」といい、日本では厚生労働省の令和6年歯科疾患実態調査において、
15歳以上の47.8%に4mm以上の歯周ポケットが認められています。
歯周病は自覚症状が少ないまま進行することもあり、成人が歯を失う主要な原因の一つとなっています。

歯周病の原因は、
細菌のかたまり「バイオフィルム」です

歯周病の直接の原因は、歯と歯ぐきの境目にたまる細菌性バイオフィルム(デンタルプラーク)です。
細菌が自ら作った膜に覆われて歯面に固着しているため薬剤や免疫が届きにくく、歯ブラシや歯科医院での機械的な除去が欠かせません。

なかでも歯周炎の進行と強く関連するのが、ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.g.菌)、タンネレラ・フォーサイシア(T.f.菌)、トレポネーマ・デンティコーラ(T.d.菌)の3菌種で、まとめて「レッドコンプレックス」と呼ばれます。
当院では、細菌検査を用いてこれらの細菌の量を調べ、現在のお口の中の細菌の状態を把握したうえで、歯周病の治療や管理に役立てています。

進行を早める要因として、喫煙、糖尿病、歯ぎしり・食いしばり、合っていない被せ物があります。
原因は細菌ですが、進み方はこうした要因との組み合わせで決まります。

歯肉炎から歯周炎へ
─ 進み方と症状の目安

歯周病は、歯肉炎から始まり、軽度・中等度・重度の歯周炎へと進みます。
ポケットの深さは一つの目安で、重症度は骨の吸収量・出血・歯の動揺を合わせて判断します。

段階 歯周ポケットの目安 主な状態
歯肉炎 3mm前後 歯ぐきの赤み・腫れ・出血。骨の吸収はまだない
軽度歯周炎 4mm前後 歯槽骨の吸収が始まる。自覚症状は乏しい
中等度歯周炎 4〜6mm 骨の吸収が進み、歯が動き始める。口臭・排膿
重度歯周炎 6〜7mm以上 骨の大半が失われ、著しい動揺

歯肉炎の段階なら、歯ぐきは健康な状態に戻すことができます。
一方、歯周炎まで進行すると、失われた骨は自然には元に戻らないため、歯周病を「これ以上進行させないこと」が治療の重要な目標になります。

歯周病と全身の健康
─ 糖尿病をはじめとする関連

歯周病が進行すると、歯周ポケットの中で炎症が続き、歯周組織から炎症に関連する物質が生じます。
これらが血流を介して全身に影響を及ぼす可能性があることから、歯周病はお口の中だけの問題ではなく、全身の健康とも関わる病気と考えられています。

なかでも深い関係が知られているのが糖尿病です。
糖尿病があると歯周病が進行しやすくなる一方、歯周病による慢性的な炎症はインスリンの働きに影響し、血糖コントロールを悪化させる可能性があります。
また、歯周治療によってHbA1cが改善したとする報告もあり、日本歯科医師会では平均約0.4%の改善が紹介されています。
糖尿病の方の歯周治療は、主治医と情報を共有しながら進めます。

このほか、歯周病は心血管疾患や誤嚥性肺炎、早産・低体重児出産などとの関連も報告されています。
ただし、歯周病を治療すればこれらの疾患を防げると単純に言い切れるものではありません。
だからこそ、歯周病をお口の中だけの問題として捉えず、全身の健康管理の一部として適切に管理することが大切です。

当院の歯周病治療
─ 3つのステップ

当院の歯周病治療とは、「原因を調べる」「感染と炎症をコントロールする」「再評価し、再発を防ぐ」
の3つのステップを、途切れなく続ける継続管理です。
治療して終わりではなく、治療後の良好な状態を
長期にわたって維持することまでを治療と考えています。

全体の流れは、検査 → リスク把握 → 方針決定 → 治療 → 再評価 → メンテナンス/SPT → 再発予防です。
再評価で改善が足りなければ治療に戻り、安定すれば管理に移る。この循環を続けます。

STEP1 原因を調べる

[ 何をしているか ]

初回に行う検査は、次の2つに分かれます。

  • 01
    歯周組織の検査(保険診療)
    歯周ポケット検査・動揺度
    歯と歯ぐきの境目の溝の深さを1歯につき複数点で測り、出血の有無とぐらつきを記録します。出血は「今、炎症が起きている」サインです
    レントゲン
    歯槽骨がどれだけ残っているかを確認します。縦方向に深い骨吸収がある部位は歯科用CTで立体的に確認します
    口腔内写真・染め出し
    歯ぐきの状態と磨き残しの場所を記録し、治療前後の比較に使います
  • 02
    細菌のリスクを調べる検査
    (自由診療)
    サリバテスト(唾液検査)税込6,050円
    唾液から細菌の量や、むし歯・歯周病のなりやすさを総合的に調べます
    細菌検査(唾液検査+オルコア歯周病菌検査)税込9,700円
    オルコアは、PCR法で歯周ポケット内のP.g.菌などレッドコンプレックス3菌種の量を測る検査で、院内で約45分で結果が出ます。
    検査で分かった細菌の量や歯周病のリスクは、治療方針の検討や治療後の状態管理に活用します。
    検査結果のみで歯周病の診断を確定するものではありません
    血液検査+レポート作成 税込33,000円
    (採血 5,500円)
    血糖や炎症の指標など、全身の状態と歯周病の関係を把握したい方に行います

[ なぜ必要なのか ]

歯周病の治療は、「どこが、どれだけ悪いか」と「なぜ悪くなったか」の両方が分からないと計画できません。
歯周組織の検査は前者を、細菌の検査は後者を明らかにします。
同じ4mmのポケットでも、レッドコンプレックスの量が多い方と少ない方では再発リスクの見立てが変わります。
細菌の量を数値で把握しておけば、治療後の再測定と比較でき、根拠をもって次の方針を決められます。

検査結果をどう活かすか ─ 方針決定の考え方
検査で分かったこと 当院の方針の目安
ポケットが浅く、骨の吸収が軽度 歯周基本治療(保険診療)を行い、再評価後にメンテナンスへ
レッドコンプレックスの量が多い、または再発を繰り返している 歯周基本治療に加えて、細菌の量を減らすTHPをご提案
基本治療後も深いポケットが残る、縦方向の骨欠損がある 歯周外科(フラップ手術)や歯周組織再生療法を検討
血糖コントロールに不安がある、持病がある 主治医と情報を共有し、治療の順序と時期を調整
あなたにとって何が変わるか

「腫れているので歯石を取りましょう」と、その場の症状だけを見て進めるのと、「細菌の量が多く、骨がここまで減っているので、この順番で進めましょう」と、検査結果をもとに全体の方針を立てるのでは、治療の見通しが変わります。

当院では、検査結果を数値や画像でお見せしながら、なぜそのような方針になるのかを説明したうえで、治療を進めていきます。

STEP2 感染と炎症をコントロールする

[ 何をしているか ]

  • 01
    歯周基本治療(保険診療)

    歯周病治療の土台です。
    原因である細菌のかたまりを取り除き、再びたまりにくい環境を作ります。

    プラークコントロール指導
    染め出しの結果をもとに、磨き残しに合わせた歯ブラシ・歯間ブラシの使い方を歯科衛生士がお伝えします。
    治療の効果を左右する、いちばん大切な工程です
    スケーリング
    歯ぐきより上(歯肉縁上)に付いた歯石を除去します
    スケーリング・ルートプレーニング(SRP)
    歯ぐきの中(歯肉縁下)に付着した歯石や、歯根面に付着した細菌などを取り除き、歯根面を滑らかに整えます。
    麻酔をして行うことがあります
    咬合調整・不適合な被せ物の修正
    特定の歯に強い力が集中している場合は噛み合わせを調整し(咬合調整)、被せ物に歯石がたまりやすい段差やすき間がある場合は、その状態に応じて修正や作り替えを行います
  • 02
    THP(Total Health Program)
    ─ 細菌の量そのものを減らす(自由診療)

    レッドコンプレックスの量が多い方、基本治療後も炎症を繰り返す方には、当院の歯周病改善プログラム「THP」をご提案します。THPは、歯周病や虫歯の根本からの改善と、再発の予防を目的としたプログラムです。

  • 03
    バイオフィルムの除去(自由診療)

    微細なパウダーを吹き付けてバイオフィルムを落とす**バイオフィルム除去パウダーによるクリーニング(税込2,450円)**を併用することがあります。

  • 04
    歯周外科治療

    基本治療後も深い歯周ポケットが残る部位には、歯ぐきを開いて歯周ポケットの奥深くまで確認し、歯石や炎症組織を取り除く**フラップ手術(FOP)**を行います。
    保険診療で行う場合と、自由診療(税込61,000円)で行う場合があります。

  • 05
    歯周組織再生療法

    縦方向の骨欠損など条件が合う部位には、失われた歯周組織の再生を促す治療を行います。
    当院では**エムドゲイン(税込25,000円)**を用います。

  • 06
    歯ぐきの手術(自由診療)

    薄く磨きにくい歯ぐきの幅を増やすFGG(税込61,000円)、下がった歯ぐきを覆う**CTG(1歯目 税込109,000円)**を、必要な部位に行います。

[ なぜ必要なのか ]

歯周病は細菌感染症なので、炎症を抑えるだけでは繰り返します。
基本治療で歯石とバイオフィルムを物理的に取り除き、足りない場合に細菌の量へのアプローチ(THP)や、器具が届かない深い部位への外科的アプローチを加える。
この順番を守ることで、外科処置を本当に必要な部位だけに絞ることができます。

[ あなたにとって何が変わるか ]

再評価のたびに、歯周ポケットの深さや出血の有無などを確認し、「改善した部位」「まだ炎症が残っている部位」「次に必要な処置」を検査結果の数値とともにお伝えします。
歯ぐきの出血が減ったり、口臭やねばつきが気にならなくなったりといった変化も、検査結果と照らし合わせながら確認していただけます。

STEP3 再評価し、再発を防ぐ

[ 何をしているか ]

基本治療や外科処置が終わったら、STEP1と同じ検査をもう一度行います。
これが再評価です。
ポケットの深さ、出血、動揺、骨の状態を治療前と比べ、細菌検査を行った方は細菌の量も再測定します。

  • 再評価の結果によって、その後の管理を2つに分けます。

    メンテナンス
    歯周組織が健康な状態に回復した方の定期管理。保険診療で行います
    SPT(サポーティブペリオドンタルセラピー)
    4mm以上のポケットが残っていても炎症が安定している状態を保つ治療。
    定期的な検査・クリーニング・必要な部位のSRPを続けます。保険診療で行います

    来院の間隔は3〜4か月ごとを目安に、細菌の量が多い方や糖尿病のある方は短く、安定している方は長く設定します。

[ なぜ必要なのか ]

歯周病原細菌は、治療で減らしても時間とともに再び増えます。
バイオフィルムはご自身の歯みがきだけでは除去しきれないため、歯科医院で定期的に取り除く必要があります。
失われた骨は自然には戻らないので、再発を早い段階でとらえることが、歯を長く残すことに直結します。

[ あなたにとって何が変わるか ]

「痛くなったら行く」から「悪くなる前に見つける」に変わります。
毎回の検査結果が蓄積されるので、数年単位で状態の推移を把握できます。
ゴールは治療の終了ではなく、ご自身の歯で噛める状態を最期まで保つことです。

重度歯周病・
「抜くしかない」と言われた方へ

重度歯周病とは、歯を支える骨の大半が失われ、歯が大きく動揺する段階の歯周炎です。
この段階で「抜くしかない」と言われた方が、当院を受診されることがあります。
当院では、その歯を残せる可能性があるかどうかを、検査のうえで検討します。
すべての歯を残せるとは限りませんが、「抜く」以外の選択肢がないかを確かめる価値はあります。

  • 01. 保存できるかどうかを、
    どう判断するか

    • 骨の残り方

      レントゲン・CTで骨の量と、欠損が縦方向(再生療法の適応になりやすい)か水平方向かを見ます

    • 動揺と噛み合わせ

      動揺が炎症によるものか、力の集中によるものかで対処が変わります

    • 根の状態

      根分岐部まで病変が進んでいないか、根が割れていないかを確認します

  • 02. 歯周基本治療と再評価を経て、
    再生療法を検討する

    重度であっても、まず歯周基本治療で炎症を落ち着かせ、再評価で改善が足りない部位にフラップ手術や歯周組織再生療法を検討します。

    再生療法の適応となるのは、縦方向の骨欠損や根分岐部病変の初期〜中期など、条件が合う部位です。
    当院で用いるエムドゲインは、幼若なブタの歯胚から精製したタンパク質を主成分とする薬剤で、歯根面に塗布して失われたセメント質・歯根膜・骨の再生を促します。
    再生の程度には個人差があり、水平方向に広 く骨が失われた部位には適応になりません。

  • 03. それでも残せない場合
    ─ 口腔全体の機能で考える

    残すことが難しい場合は、無理に残すことが隣の歯や骨に悪影響を及ぼさないかまで含めて考えます。
    抜歯後の機能回復にはインプラント・ブリッジ・入れ歯があり、残っている歯・骨の量・全身の状態・ご希望から一緒に決めます。

    インプラントは歯周病と同じ細菌でインプラント周囲炎を起こすため、歯周病の管理ができていることが前提です。
    当院では、歯周病治療からインプラント、その後のメンテナンスまでを同じチームで担当します。
    多数の歯を失っている方には、お口全体を再設計するフルマウスリコンストラクションという考え方もあります。

治療期間・通院回数の目安と
初診の流れ

歯周病治療の期間とは、検査から再評価までの「積極的な治療」の期間と、
その後ずっと続く「継続管理」の期間の2つを指します。
前者の目安をお伝えします。

  • STEP 01

    問診

    症状、治療歴、持病と服用中のお薬、喫煙などの生活習慣をお聞きします。お薬手帳をお持ちください

  • STEP 02

    歯周組織の検査

    ポケット検査・動揺度・レントゲン・口腔内写真(保険診療)

  • STEP 03

    応急処置

    強い痛みや腫れがあれば、その日に対処します

  • STEP 04

    結果の説明と方針のご提案

    検査結果を数値と画像でご説明し、細菌検査やTHPをご提案する場合は理由と費用を併せてお伝えします

治療期間の目安

状態 積極的な治療の期間 通院回数の目安
歯肉炎・軽度歯周炎 1〜2か月 3〜5回
中等度歯周炎 2〜4か月 5〜10回
重度歯周炎
(外科・再生療法を含む)
4か月〜1年 10回以上

再評価で追加の処置が必要になれば期間は延び、改善が早ければ短くなります。
初回の検査後に、あなたの状態での見通しをお伝えします。
治療後は3〜4か月ごとを目安にメンテナンスまたはSPTに移ります。

「自分の歯周病は、どの段階なのか」を、検査の数値でお伝えします。

歯周ポケット・骨の状態・細菌の量を調べたうえで、
保険診療で進められるか、
ほかの選択肢が必要かを具体的にご説明します。

梅田院で歯周病治療を担当する
歯科医師

梅田院の歯周病治療を担当する歯科医師は、医療法人 翼翔会 理事長・安岡大志です。
検査結果の評価、治療方針の決定、歯周外科・再生療法、インプラント治療を担当し、
歯科衛生士チームと継続管理にあたります。

略歴

大阪歯科大学を卒業後、同大学 細菌学講座に入局。
米国ノースカロライナ大学での研修、南カリフォルニア大学(USC)客員研究員、
ニューヨーク大学(NYU)での卒後研修を経て、
咬合学の教育機関 THE DAWSON ACADEMY を修了しています。

所属学会

インプラント関連
AAID(American Academy of Implant Dentistry)/ICOI(International Congress of Oral Implantologists)/JACID(日本臨床歯科インプラント学会)/OJ(Osseointegration Study Club of Japan)/5-D Japan/日本口腔インプラント学会/日本顎顔面インプラント学会/iACD/日本臨床歯科学会

外科・全身管理関連
日本口腔外科学会/日本顎変形症学会/日本口腔腫瘍学会/日本有病者歯科医療学会/日本血管生物医学会 ほか

歯周病治療に対する考え方

歯周病は、細菌による感染症です。
細菌学講座で学んだのは、口の中の細菌がどのような環境で増え、どのように組織を壊すのか、という基礎でした。
その視点で見ると、「歯石を取って歯ぐきを引き締める」だけでは足りないことが分かります。
どの細菌が、どれだけいるのか。減らしたあと、再び増えるまでにどれだけの時間があるのか。
当院が細菌検査を治療の起点に置き、継続管理を重視しているのは、この考え方によるものです。

もう一つ大切にしているのは、噛み合わせです。
支えが弱くなった歯に強い力がかかると、炎症とは別の理由で骨が失われます。
THE DAWSON ACADEMYで学んだ咬合の考え方を、歯周治療の計画にも反映させています。

担当している治療

歯周病治療(検査・方針決定・歯周外科・再生療法)/インプラント/フルマウスリコンストラクション/一般歯科

歯周病治療を支える
歯科衛生士チーム

歯周病治療を支える歯科衛生士とは、歯周ポケット検査、プラークコントロール指導、
スケーリング・SRP、THPの処置、メンテナンスを担当し、患者様と最も長い時間を過ごす職種です。
治療の成否は、歯科衛生士の技術と、それを維持する仕組みにかかっています。

人数と体制

翼翔会には30名の歯科衛生士が在籍し、うち8名がTHP資格を取得した歯科衛生士として、プログラムの処置を担当しています。

THP資格を取得した歯科衛生士とは

歯科衛生士は、歯石やバイオフィルムの除去、歯みがき指導、予防処置、治療後の定期的な口腔管理など、歯周病治療の多くの場面を担っています。
THP資格は、その日々の仕事に、細菌検査の結果をもとにお口の中の細菌に働きかける考え方と手順を加えるための研修です。

THPの処置を担当する歯科衛生士は、講義と実習からなる約1年のカリキュラムを修了し、次のようなことを学んでいます。


  • 細菌検査(サリバテスト・オルコア)の結果の読み方。
    どの細菌がどのくらいいて、再発しやすいところはどこかを把握します
  • 検査結果に応じた処置の進め方。
    薬剤による除菌処置や乳酸菌サプリメントの活用など、細菌の量を減らす方法を組み合わせます
  • 継続管理の組み立て方。
    集中期間のあとに細菌が少しずつ増えていくことをふまえ、3か月ごとの管理につなげます

いつもの歯周病治療とメンテナンスに、細菌検査の結果に合わせた一手を加える。
THP資格を取得した歯科衛生士は、そのための知識と技術を研修で身につけています。
THPは、この研修を修了した歯科衛生士が在籍する施設で行われているプログラムで、翼翔会ではこの8名が担当しています。

毎月の勉強会から、
患者様への還元まで

翼翔会には30名の歯科衛生士が在籍し、うち8名がTHP資格を取得した歯科衛生士として、プログラムの処置を担当しています。

  • 毎月の勉強会

    法人全体で、メンテナンスやTHPに特化した外部講師を招き、歯周治療・器具の使い方・検査結果の読み方を学びます

  • 院内共有

    学んだ内容を各院に持ち帰り、処置の手順や記録の取り方を統一します

  • 患者様への還元

    誰が担当しても同じ基準で検査・処置・説明が行われる状態を目指します

先輩が後輩を育てる

勉強会や外部講師の研修で学んだことは、受けた本人の技術で終わらせません。
研修を積んできた先輩の歯科衛生士が、日々の診療のなかで後輩を指導し、検査の手順、処置の基準、患者様への説明の仕方を引き継いでいきます。
翼翔会に30名の歯科衛生士がいることの意味は、人数そのものではなく、この「教え、教えられる」関係が法人全体で続いていることにあります。

あなたにとって何が変わるか

歯周病の管理は、数年、数十年と続きます。
その間に担当者が変わっても、検査の基準と処置の質が変わらないこと。
人数と教育の仕組みは、そのためにあります。

歯周病治療の料金

歯周病治療の料金とは、保険診療で行う検査・基本治療・外科・SPTと、
自由診療で行う細菌検査・THP・再生療法・自費メンテナンスに分かれます。自由診療はすべて税込で表示しています。

保険診療で行うもの

歯周組織の検査(ポケット検査・動揺度・レントゲン・口腔内写真)/プラークコントロール指導・スケーリング・SRP/フラップ手術(保険適用の範囲)/再評価・SPT・メンテナンス ─ いずれも保険診療です(金額は負担割合により異なります)。

検査(自由診療)

  • 唾液検査(サリバテスト)

    ¥6,050(2回 ¥9,700)(税込)

  • 細菌検査(唾液検査+オルコア歯周病菌検査)

    ¥9,700(税込)

  • 血液検査+レポート作成

    ¥33,000(採血 ¥5,500)(税込)

  • RDテスト

    ¥500(税込)

THP(Total Health Program)

  • THP成人 3回/4回/5回

    ¥104,000/¥140,000/¥176,000(税込)

  • THP成人 6回/7回/8回

    ¥213,000/¥249,000/¥285,000(税込)

  • THP小児(混合歯列)

    ¥17,000(税込)

  • THP小児(永久歯列)

    ¥29,000(税込)

歯周外科・再生療法・歯ぐきの手術
(自由診療)

  • エムドゲイン(歯周組織再生療法)

    ¥25,000(税込)

  • FOP(フラップ手術・自費)

    ¥61,000(税込)

  • FGG(遊離歯肉移植術)

    ¥61,000(税込)

  • CTG(結合組織移植術・根面被覆)1歯目/2歯目以降

    ¥109,000/¥61,000(税込)

バイオフィルム除去・メンテナンス
(自由診療)

  • バイオフィルム除去パウダー

    ¥2,450(税込)

  • 自費メンテナンス

    ¥20,000(税込)

ご来院前にご確認ください

  • 初診時は初診料・検査料が必要です
    (カウンセリングのみのご来院でも同様です)

  • 自由診療の費用は、検査結果をもとに必要な処置をご説明し、ご納得いただいてから決めます

  • 歯周病治療の費用は医療費控除の対象です。詳しくは医療費控除についてをご覧ください

THP(Total Health Program)とは

THP(Total Health Program)とは、歯周病原細菌の量を減らすことを目的とした、当院の自由診療の歯周病改善プログラムです。
歯周基本治療が歯石やバイオフィルムを物理的に取り除く治療であるのに対し、THPは細菌そのものの量に働きかけます。

[ プログラムの流れ ]

  • STEP 01

    適応の判断

    細菌検査(サリバテスト・オルコア)の結果と歯周組織の状態から、適応と回数を決めます

  • STEP 02

    集中期間(約2週間)

    薬剤などを用いて歯肉縁下の細菌を減らします。乳酸菌サプリメントを併用する場合があります

  • STEP 03

    継続管理(3か月ごと)

    細菌が再び増えていないかを確認し、必要に応じて処置を行います

どのような方にご提案するか

  • 細菌検査でレッドコンプレックスの量が多かった方
  • 歯周基本治療を受けても、出血や腫れを繰り返す方
  • インプラント治療の前や、糖尿病などの持病があり、口の中の細菌と炎症をできるだけ減らしておきたい方

THPには成人向けと小児向けがあり、成人は3回から8回のコースをご用意しています。
回数は、口腔内の状態や検査結果に応じて決定します。

THPは歯周病そのものを治す治療ではなく、細菌の量を減らし、再び増えにくい口腔内環境を整えることを目的としたプログラムです。
歯周基本治療・再評価・メンテナンスと組み合わせて行います。

リスク・副作用・注意事項

歯周病治療のリスク・副作用とは、処置に伴って起こり得る一時的な症状と、治療の効果に個人差があることを指します。
治療前に次の点をご確認ください。

歯石除去(スケーリング・SRP)に関すること

  • 処置後に歯がしみる(知覚過敏)ことがあります。多くは数週間で落ち着きます
  • 炎症が治まると歯ぐきが引き締まり、歯が長く見える、歯のあいだに隙間ができることがあります。治癒の過程で起こる変化です

歯周外科・歯周組織再生療法に関すること

  • 術後に腫れ・痛み・出血・内出血が生じることがあります。多くは1週間程度で軽快します
  • 再生療法の効果には個人差があり、期待した再生が得られない場合があります。骨欠損の形によっては適応になりません
  • 縫合部の感染、歯ぐきの退縮が起こることがあります

細菌検査・THPに関すること

  • 細菌検査(オルコア・サリバテスト)は、細菌の量や歯周病のリスクを把握し、その結果を治療方針の検討や治療後の状態管理に活用します。なお、検査結果のみで歯周病の診断を確定するものではありません
  • THPによって歯周病の原因となる細菌を減らし、歯ぐきの炎症を改善することを目指しますが、口腔内の細菌を完全になくすことはできません。治療後も細菌が再び増える可能性があるため、効果を維持するには継続的なセルフケアとメンテナンスが必要です
  • 薬剤はアレルギーや体調によって使用できないことがあります。持病・服薬・アレルギーは事前にお知らせください

費用に関すること

  • 細菌検査、THP、エムドゲイン、バイオフィルム除去パウダー、自費メンテナンス、自費のFOP・FGG・CTGは自由診療で、費用は全額自己負担です

効果が得にくい場合・保存できない場合

  • 喫煙されている方、血糖コントロールが不良な方は、治療の効果が得にくく再発しやすいことが報告されています。禁煙と主治医との連携をお願いする場合があります
  • ご自宅でのプラークコントロールが続かない場合、治療の効果は維持できません
  • 検査の結果、保存が難しいと判断した歯は、抜歯をご提案することがあります

よくある質問

歯周病治療についてよくいただくご質問とは、費用、保険の範囲、痛み、通院回数、
抜歯をすすめられた歯のこと、細菌検査やTHPの内容、持病との関係です。

Q. 歯周病治療の費用はいくらかかりますか?
A. 歯周病の検査、歯周基本治療(スケーリング・SRP)、保険適用範囲の歯周外科、SPTは保険診療で受けられます。自由診療のTHPは成人3回コース104,000円(税込)からです。細菌検査は9,700円、エムドゲインは25,000円(税込)です。
Q. 保険で受けられる歯周病治療の範囲はどこまでですか?
A. 歯周病の検査、歯みがき指導、スケーリング、SRP、保険適用範囲のフラップ手術、SPT・メンテナンスは保険診療の対象です。細菌検査(オルコア・唾液検査)、THP、エムドゲイン、バイオフィルム除去パウダー、自費メンテナンスは自由診療です。どちらで進めるかは検査結果を見て相談のうえ決めます。
Q. ほかの歯科医院で抜歯と言われた歯は残せますか?
A. 残せるかどうかは、検査で骨の残り方や動揺の程度を確認してから判断します。歯周基本治療と再評価を経て、再生療法などで保存の可能性を検討し、難しい場合はインプラントを含めて口腔全体の機能を考えた選択肢をご提案します。すべての歯を残せるとは限りません。
Q. 歯周病治療は何回くらい通院が必要ですか?
A. 軽度の歯周病では検査と基本治療で3〜5回、中等度以上では再評価や外科処置を含めて数か月にわたり通院が必要になることが一般的です。治療後も3〜4か月ごとを目安にメンテナンスを続けます。初回の検査後に見通しをお伝えします。
Q. 歯周病の治療は痛いですか?
A. 歯石除去や外科処置は、必要に応じて麻酔を使って行うため、処置中の強い痛みは抑えられます。治療後に歯ぐきがしみたり、一時的に歯ぐきが下がって見えることがあります。不安がある場合は事前にお伝えください。
Q. THP(Total Health Program)とは何ですか?
A. THPとは、歯周病原細菌の量を減らすことを目的とした、当院の自由診療の歯周病改善プログラムです。約2週間の集中期間に薬剤などを用いて歯肉縁下の細菌を減らし、その後3か月ごとに継続管理します。成人は3〜8回のコースがあり、検査結果に応じて回数を決めます。
Q. 歯周病の細菌検査では何がわかりますか?
A. 歯周病の細菌検査では、歯周病の進行と強く関連する細菌(P.g.菌などのレッドコンプレックス)の量を把握できます。当院のオルコアはPCR法を用い、院内で約45分で結果が出ます。検査結果は、治療方針やメンテナンス間隔の検討、治療後の状態管理に活用します。検査結果のみで歯周病の診断を確定するものではありません。
Q. 歯周病と糖尿病はどんな関係がありますか?
A. 歯周病と糖尿病は、互いに悪化させ合う双方向の関係にあります。糖尿病があると歯周病が進みやすく、歯周病の炎症で生じる物質がインスリンの働きを妨げます。歯周治療によって血糖コントロールの指標(HbA1c)が改善したとする報告もあります。糖尿病の方は主治医と連携しながら進めます。
Q. 歯周病は治りますか?
A. 歯周病は、適切な治療と継続的な管理によって進行を止め、安定した状態を保つことができる病気です。ただし一度失われた骨は自然には戻らず、治療後も細菌は再び増えるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。

歯を守る。歯ぐきを守る。そして、その先の健康を守る。

安岡デンタルオフィス梅田院の歯周病治療とは、歯を1本でも多く残し、歯ぐきの炎症を抑え、その先にある全身の健康を守るための継続管理です。

歯周病は、痛みなく進み、気づいたときには骨が失われている病気です。けれど、原因を調べ、細菌と炎症をコントロールし、再評価と管理を続ければ、
進行を止めて安定した状態を保つことができます。翼翔会のミッションは「"あたりまえ"を最期まで。」。
ご自身の歯で噛み、話し、笑う。その"あたりまえ"を守るために、私たちは歯周病と向き合っています。

まずは、検査で今の状態を知ることから始めましょう。